動物保護団体「アーク」代表の
「エリザベス・オリバー」さんを招き
講演会を開催しました。

2002年9月1日(日)

書籍のご紹介

- スウィート・ホーム物語 -
オリバーさんと、幸せをつかんだ22匹の犬
雪山から奇跡の脱出をとげたフレンド、ホームレスの友ハギス…。帰る家のない犬、傷を負った犬たちが、暖かい愛にめぐり合い、いつしかハッピーエンドを迎えていく。動物保護団体「アーク」代表が語る犬たちとの出会いと別れ。


書籍のご紹介

- 犬と分かちあう人生 -
十代のころの冒険旅行や感動の日本上陸、日本人とペットに関して、大阪郊外での田園生活、動物保護団体「アーク」の設立、そして阪神淡路大震災など、動物との様々な思い出やエピソードを、日本在住30年の英国人が綴る。


エリザベス・オリバーさん

NAMARAによる軽快な司会進行に沿って、まずは県の生活衛生課、乳肉衛生係長の吉澤さんから新潟県の犬猫行政の現状と愛護センター設置に向けてのお話をしていただき、現在、保護管理センターでは捕獲と苦情処理に追われている。猫は不妊手術をせず完全室内飼いも少ないので繁殖し、殺処分は一向に減る気配はない。『飼い猫は不妊手術の徹底と室内飼いをお勧めしたい』と話されました。


== Elizabeth Oliver ==

1940年英国サマーセット州生まれ。ノッティンガム大学で農学(酪農学)を専攻し、ロンドン大学で日本語を専攻する。1965年に関西を訪れ、以後関西に在住。大阪工業大学の常勤講師になるが、1990年動物保護団体「アーク」を設立し、活動に専念するため退職。大阪府豊能郡能勢に移り住んでからは田園生活を送りながら総勢400頭の動物たちと暮らす。「花万博」では英国庭園の代表を務める。阪神大震災では被災した犬や猫600匹近くを救援。現在、老犬介護のサンクチュアリー設立をめざしている

児玉小枝さんパネル展「動物たちへのレクイエム」
保健所に収容されている、命つきる直前の動物達の姿をとらえた写真。“こんなことが現実にあるんだよ”と話をしても、なかなか伝わらないが、【一見は百聞にしかず】写真が全てを伝えてくれた。

アークの設立は1990年。
今年から老犬のサンクチュアリも開始。犬、猫共に200匹、25名のスタッフで世話。保護してから2週間、別の部屋で過ごし病気がないか確認。生後2ヶ月位で早期不妊手術。
『これからは幸せに』という信念のもとに、新しい飼い主に対して厳しい事前調査を行い、飼い主募集として出せない仔もスポンサー制度で金銭面で援助してもらいアークにずっといる。一番の問題は、『虐待を見たのでなんとかしてくれ』『保護したから助けてやってくれ』など、毎日のように電話がかかってくることで、全てを受け入れる事は出来ず、断る時はとても胸が痛むという。

「断ったらその動物はどうなる…?」と。

アメリカでは【no kill】(殺処分なし)をモットーにシェルター運営されている。
早期不妊手術の徹底で、14年前まで安楽死数が1,700万匹だったのが、昨年は500万匹にまで減少。また、イギリスではペットショップに犬や猫を置かないので、シェルターから引き取ったり、信頼できる専門のブリーダーへ行く。

欧米でも虐待はあるが、その定義がきちんとされ、法律も70以上ある。日本では、虐待の定義そのものがあいまい。殴る蹴る(直接的虐待)の他に一日中チェーンに繋がれっぱなしで、日陰もなく、散歩も十分でない状態(間接的虐待)は、日本では虐待にあたらない。それどころか、飼い主も虐待と思っていない。。


アライブパネル展
殺処分、畜産、実験、展示、狩猟、有害駆除、野生動物などを伝えた。

イギリスでは、動物保護法の原則が

・飢え、渇き栄養不足がないこと
・不快感がないこと
・痛み、病気、傷がないこと
・正常な行動を自由にとれること
・危険、恐怖から保護すること

となっており、それらに反する飼い主は厳重に処罰をうける。日本では動物好きは多いが、適正飼育そのものがまだ理解されていない。

動物が好きで共に生活している私達でさえも、ひょっとすると間違った知識で接しているかもしれないと改めて考えさせられる内容で、不妊手術がいかに不幸な動物を増やさないかも教えられた。


このページのトップへ