猫の手募金

事例18
住宅街の野良猫たち

経緯

この度、14匹の子猫(1匹死亡)の保護と3匹の成猫の不妊去勢手術に「猫の手募金」の支援を受ける事ができました。
毎年、本格的な子猫相談は5月末から多くなりますが、4月の半ば過ぎに「子猫3匹を保護したので里親探しをしたい」という相談がありました。経緯を聞くと相談者さんの母親が野良猫の餌やりをして生まれた子猫という事でした。1匹は譲渡会で里親さんが決まり、残る2匹は相談者が飼う事になりました。話を聞けば、以前にも子猫が生まれては、いつの間にかいなくなったり、飼い猫数匹も家の外に出入り自由だったり、野良猫も家の中に入ってくるような状態。それでは問題の解決にはならないので、飼い猫は不妊去勢手術を施して完全室内飼いをすることと、のら猫は助成金制度を使って不妊去勢手術をすることになりました。
しかし、その後、なかなか飼い主さんと連絡がとれず、連絡がとれたときには、更に野良猫が子猫を6匹産んだことがわかりました。相談者さんにも多くの事情もあり、「これ以上、世話はできない!」という事でした。幸い、保護可能なスタッフがいたので6匹の子猫を預かる事にしましたが、手の平に乗るような小さな子猫たちはひどい風邪で「猫の手募金」の申請をしました。体力のない子猫の世話は保護スタッフも本当に苦労しましたが、「猫の手募金」のお陰で治療を受けることができて、重症の子猫は残念ながら亡くなりましたが、残る5匹は無事に里親さんの元に引き取れて行きました。

対応

相談者さんも猫たちの手術にがんばるという気持ちはあったようですが遅々として進まず、そのうちにお腹の大きな猫の姿も見かけたとの連絡もあり、猫班スタッフが猫の捕獲の協力に向かったときには、既に住宅街の民家の縁の下で子猫を8匹生んでしまったあとでした。生後間もない子猫を母猫から離すのは危険なため、大獲り物の末、母猫と共に総勢9匹の捕獲を行い、再度、「猫の手募金」からの支援で保護を行なうことになりました。母猫は産後間もない状態から突然の環境の変化に発熱などの体調不良が見られたために受診し、血液検査でエイズ陽性(未発症)である事も分かりました。エイズと聞いても極端に恐がる必要はありませんが、あのまま、住宅街の隙間で生きて行くしか無かったら・・・と思うと、これ以上の繁殖を防ぐことができてほんとうに良かったと思っています。

解決に向けて

相談者さんが飼い猫の不妊去勢手術を行い、現場に残った他の野良猫2匹はスタッフが捕獲、手術してリリースをしました。子猫たちへのエイズ感染はまだ分かりませんが、「猫の手募金」で助けられた命が、里親さんの元で「天寿を全うしました。」という猫生が送れる事を願っています。「猫の手募金」にご支援をくださった皆様には感謝の言葉しかありませんが助かる命が一つでも増えるように私たちスタッフもがんばって行きたいと思います。今後共、ご支援を宜しくお願いいたします。

餌やりさんの責任と地域猫の難しさ 1 餌やりさんの責任と地域猫の難しさ 2 餌やりさんの責任と地域猫の難しさ 3  
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