子猫じゃないと人に馴れない?

のら猫はなつかない、子猫じゃなければ人にはなかなかなつかない、と思っておられる方も多いと思います。
また飼うにあたって不安がある方も大勢いるでしょう。

でも、のら猫、成猫、子猫も同じ猫です。
生まれた環境、育った環境が違うだけで、同じ猫です。

小さい時から室内で飼われる猫と、成猫になってから室内で飼い始めるのでは、確かに環境に慣れる日数は全然成猫の方が遅いと思います。
のら猫育ちの猫はもっと大変かもしれません。

その子の性格にもよると思いますが、長い目で見ればほとんどの猫が室内飼いが出来ると思います。少しずつでも慣れてきてくれるはずです。

また、時間は掛かりますが愛情に飢えていた分、あるときを境にせきを切ったように甘え始めるようになるときもあります。
そして、彼らは決してこちらの愛情を裏切ることをしません。
触れられるのが苦手な子もいますが、それでも人の気配を感じることで安心しているようです。

イエネコという種はすでに野生の生き物ではありません。
数千年前、人間が介入したときから人との関わりなくして生きることはできません。

だから、どんな子たちも人の愛情と安全な寝床、十分な栄養、清潔な環境を与えていれば一緒に生活していけることはできると思います。
苦労があったぶん愛おしく感じるのではないでしょうか。

慣れてもらうためには?

保護したばかり、もしくは大人の猫を新しい環境で飼いはじめるときは、猫は環境の変化に戸惑って緊張しています。
威嚇をするかもしれませんし、時には手が出てしまうこともあるかもしれません。
でも、ここからが猫との根競べの始まりです。決して焦ってはいけません。

まず、新しい環境に慣れてもらうためには、省スペースで猫が安心して過ごせる
空間を作ってあげましょう。
そこで活躍するのが猫用のケージです。
どのくらいの期間で慣れてくれるかは猫の性格や人馴れ度によって異なってきますがケージの中にトイレやご飯容器、猫用ベッドなどが入れられて、なおかつ動き回れるスペースを考えると、2段もしくは3段ケージを用意するとよいでしょう。
または、脱走してしまう危険性が少ないのであれば1部屋に開放してあげてもよいでしょう。

準備が整ったら用意したケージまたはお部屋に猫を開放してあげてください。
最初のうちは緊張からご飯やお水を飲まなかったり、トイレを我慢したりするかもしれませんがお腹が空けば食べ始めますし、トイレもきちんとできるはずです。
ケージが用意できない場合は、部屋の隅などに人間を見渡せるような角度で“猫ちぐら”などのちょっとした隠れる場所を設置することもストレスを少なくし、
警戒心を早めになくすことができます。
落ち着いたら猫じゃらしなどで少しづつ興味を引くことも有効な方法です。

慣れない間は、ケージだったり開放した部屋から出たがって催促することもあります。猫だっていきなり狭いところに入れられてしまって「なんでこんなところにいなきゃいけないの?!」って思うでしょう。
特に、お外で生活をしていた猫にとっては180度今までの環境と違うわけですからパニックになって鳴いたり騒いだり・・・・・こんな状態を目の当たりにしてしまうと「ここから出してあげた方がいいのかな・・・?」ということもつい考えてしまいますが、まだ慣れていない猫を出してしまったらいざまたケージに入れようと思ってもなかなか捕まえることはできません。
無理に捕まえようとすればするほど猫の恐怖心は高まってしまい慣れてくれるまでにもっと時間がかかってしまうことになります。

猫も、最初は嫌かもしれませんが、他の猫など外敵から身を守るために気を休めるまもなく緊張して過ごす外の生活より、暖かいベッドに満腹になるほどのご飯ときれいなお水がいつでも飲めるといった生活や、自分を優しく包んでくれる人との生活が気楽で楽しいと分かれば外に出たいという欲求はなくなると思います。
(およそ1週間から1ヶ月程度 猫のよって異なるのであくまで目安としてください)

「この人はおいしいご飯をくれるし、危害を加えない人だ」と猫に分かってもらえるまで多少の時間は掛かりますが、何事も無理強いせず、気長にゆったりした気持ちを持ちながら接していけば同じ生き物同士、いつかきっとお互いの心が通じる日がきます。
何事も無理強いせず、気長にゆったりした気持ちを持ちながら接していきましょう。
これから始まる新しい幸せな日々のために・・・・・・・

人に慣れないのは成猫も子猫も同じ

のら猫が産んだ生後2ヶ月くらいの子猫を保護しました。全く人に慣れておらず、保護するときにあちこち引っかかれたり噛まれたりしましたが、なんとか保護できました。
保護して3日経った4匹の子猫たち。ケージの隅に固まって硬直様態です。

トイレやご飯を交換しようとケージの扉を開けようものなら、「シャーシャー」と威嚇の応酬。手を伸ばすと逃げようとしてケージの柵によじ登ったりして必死で自己防衛をしていました。
特に、黒い子猫はその傾向が強く、最後の最後まで慣れるのに時間がかかりました。
 
目が真ん丸くなって瞳孔が開いている状況です。表情も怯えや恐怖、警戒した顔つきです。
 
黒い子猫はカメラが近づいてきたのでケージの柵に飛びかかって逃げようと構えています。
 

それから2週間後。
ケージをリビングに移動しました。リビングには先住猫がたくさん居て、子猫たちに先住猫と接する人間の姿と、人間に警戒を持たず甘えてくる猫の姿を見せつつの日々が続きました。  また、慣れさせる第一段階として「人の手から食べ物を与える」=「人間の手は美味しいものをくれるものだ」ということで、ケージ越しにおやつのササミをあげたりもしました。

その結果、徐々にではありましたが、人の手を恐がらないようになり、撫でても平気な子たちになりました。
上の保護当初の険しい表情とはうって変わって表情が和らいだのがお分かりいただけますでしょうか。
おかげさまで4匹みんな譲渡ができ幸せに暮らしています。


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