不妊・去勢手術をしましょう
=不幸な命をこれ以上増やさないために=

不妊・去勢手術について

●なぜ不妊去勢手術をしなくてはいけないの?
不妊・去勢手術をするべきか否かという問題で悩む方もいらしゃるでしょう。
「本能を奪うのはかわいそう」と感じる人も多いと思います。
しかし発情期には食欲不振や出血があり、挙動不審になるなど多くのストレスを抱えます。
そのうえ交尾の機会もないままに性行動を我慢させるのは猫にとって大変な苦痛であると言われます。
気の荒くなったオスが家から飛び出して交通事故に遭ったり、他の猫との喧嘩でケガをしたり、ウイルス病を移される確率が高まるといった問題も生じます。

不妊・去勢手術は、人との共同生活の中で不都合なことが起こるために「不自然な行為」を強いるわけですが、自然な繁殖に任せて飼えない子猫が捨てられたり処分されることを放置するのは動物愛護の観点から見過ごすことはできません。
飼えないと言って、保健所に持ち込まれる子猫の数は新潟県だけでも年間、数千匹に登ります。

又、捨てられた子猫達のほとんどは悲惨な死を迎え運良く生き残ったとしても、ガリガリに痩せて過酷な生活を強いられます。
そして半年もすれば成熟し子猫を産みます。親猫が自分の栄養も満足に摂れない状態で子猫を育てる姿は、あまりにも惨い光景です。薄汚れた捨て猫を見て、心の痛まない人はまずいないと思います。
そして、そうした不幸な猫を一匹でも少なくするためにも、不妊手術を是非お願いします。

オスの去勢手術について

生後5ヶ月頃より(発情前に)遅くとも10ヶ月くらいの間にされると良いでしょう。両睾丸を摘出するだけですので短時間で済みます。

<長所>
①発情によるうるさい鳴き声が無くなります。
②オシッコをかける行為(スプレ-)をしなくなります。
 (但し、スプレー行為をした猫の場合手術をしても、スプレ-行為が無くならない場合もあります。)
③ストレスから解放されて、人間とのより親密な関係を築くことができます。
④屋外への遁走、放浪癖が少なくなります。
⑤従って、これらに伴う咬傷、交通事故、伝染病の感染の危険性が少なくなります。
⑥生殖器系の病気を防ぐことができます。

メスの避妊手術について

生後5か月頃より(発情前に)遅くとも8ヶ月くらいの間にされると良いでしょう。おなかを切開して卵巣及び子宮を取り除きます。 一泊の入院が必要とされます。
(医院により異なることがあります。)

<長所>
①妊娠の心配が無くなります。
②妊娠は猫にとって、体力的、精神的にかなりの負担です。
 これが無くなることにより、ストレスから解放されます。
③この手術を早期にすることによって比較的多発する「乳癌」にかかりにくくなります。
 又「子宮蓄膿症」、「子宮内膜炎」等の子宮に関する病気はなくなります。
④発情しなくなりますので、なき声がうるさくて眠れないということもなくなります。

スプレー行為は、通常のおしっことは異なり、後ろへ飛ばすような状態で行いますので、殆どの場合が家具やカーテンなどにかかり、匂いもかなりキツイので、一度付いたら、特に布製品などはクリーニングに出してもまず匂いを取る事は困難です。
これらの行動は、一度覚えてしまうと手術をしても直ぐには改善されないケースも多く、その為、手術は発情期を迎える前の時期、メスが生後5~7ヶ月、オスが生後6ヶ月~8ヶ月が理想だと思われます。
ただ、早期不妊手術により、皮膚病や尿路結石を引き起こしてしまったケースもあり、早期不妊手術を否定する方や獣医師さんもいると思いますので、時期については飼育者さんの判断となると思います。

不妊・去勢手術の内容と費用

手術内容は、メスは腹部を切開し、卵巣と子宮の摘出、オスは腹部切開は無く、睾丸のみを摘出します。
メスの場合は入院しますが、オスの場合は日帰りできる病院もあります。
ただ、全身麻酔をしますので、個人的には1泊入院をさせた方が安心だと思います。
費用は地域や病院により異なりますが、1万円~3万円程です。メスの方が少し割高です。

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