【犬猫の殺処分】

平成 19年 11月 22日 掲載

少し前に昨年度の新潟県の犬や猫の保護管理実績が公表されましたが、その結果に少しがっかりしました。

私が動物愛護に関心を持って以来、年々、減り続けていた殺処分数が、猫で増えてしまったのです。七割以上が産まれたばかりの子猫で、特に増えたのは上越地域です。毎年、四千匹以上の猫が命を失う現状を変えるために、ぜひ、不妊・去勢手術を徹底して欲しいと思います。

犬の処分数は幸い減り続けており、五年前に比べてほぼ半分になりました。このペースでいけば、新潟県が掲げている「殺処分ゼロの県」も夢ではないかもしれません。

もう八年ほど前の話ですが、車を走らせていたら、白くて大きな犬に出合いました。近所を回ったものの飼い主は見つからず、保健所に届け出をしました。法律上、飼い主を待つ公示期間は三日間で、その時は処分日との関係で一週間程の期間がありましたが、飼い主は探しに来てはくれませんでした。

処分される日の朝、抑留所に行ったら、わずか一週間ほどで、どの犬だかわからないくらい形相が変わっていたのには驚きました。その日、犬舎は満杯で、私が収容棟に入ると、多くの犬が一斉に吠(ほ)えました。飼い主でないとわかるとあきらめてうずくまる犬、必死に吠え続ける犬、尻尾(しっぽ)を振る犬、どうしてこんなにたくさんの犬がいるのか不思議に思い、心が痛みましたが、縁あったシロだけを引き取りました。

マンションでは犬は抱っこしてエレベーターに乗る決まりになっていたので、それができない大きなシロを毎日、階段を使って散歩に連れていきました。わが家の二匹の先住犬がすぐにボスと認めるくらいに賢くて優しい犬でした。幸い、近所の親切な方にもらわれていきましたが、数カ月後に、その家の玄関を勝手に開けて出て行き、行方知れずになりました。

シロにとって、この数カ月間はちょっとした冒険で、元の家に戻ったのだと信じたいですが、迷子札をつけていなかったことが今でも悔やまれます。保健所に収容される動物のうち六割が飼い主不明です。飼い主のみなさん、言葉を話せない彼らのために、どうか、迷子札をつけてあげてください。

 

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