【動物愛護推進員制度】

平成 20年 2月 14日 掲載

家族の一員として犬を迎え入れるのに一番良い季節はいつでしょうか。

散歩がしやすい春や秋に犬を求める方が多く、冬の寒い時期や夏の暑い時期は少ないのが実情です。その一方で、犬が捨てられるのに季節はありません。さまざまな理由でさまざまな犬たちが保健所や動物保護管理センターに日々、収容されています。春先の引っ越しシーズンに犬を置いていく人、冬場には必ずセッターなどの猟犬が収容されます。ペットショップでも見たことがないような珍しい種類の犬を見ることもあります。

法律で決められている収容期間はわずか三日ですが、少しでも長く保護できるようにと、次年度から地方交付税で三億五千万円の予算が下りることになりました。わずか三日分の餌代やワクチン代でしかありませんが、行政が処分ではなく生かすことに目標を置いた大きな転換期といえます。

もう一つ期待されている新しい取組みに「動物愛護推進員制度」があります。動物愛護の気持ちや正しい飼い方を身近な地域から広めることで、人と動物がより良く暮らせる社会をつくろうというものです。身近な地域でさまざまな情報を発信したり、悩んでいる方の助けになったりしてくれるような存在があれば、どんなに良いでしょうか。言い換えれば、そんな社会をつくりたいと願う人なら誰もが参加できる制度ということです。

新潟県でも五十名ほどの推進員が委嘱されています。来年度の県の募集は締め切りましたが、新潟市はこれから募集が始まります。「将来、こんな社会になれば良いな」、と考えている方は、ぜひ、一緒にこの制度を育てていただければと思います。

ところで、毎年、地球生物会議(ALIVE)が発行している報告書によると、昨年度の新潟県での犬の殺処分数は三百三十匹で、富山に次いで全国で二番目に少ない県でした。ちなみに一番多いのは茨城県で、七千二百四十九匹が処分されました。残念なことに猫の殺処分数は新潟でも四千匹以上で、根本的解決にはほど遠い状況ですが、解決に向かう最初の一歩に愛護推進員制度があるのかもしれません。

 


五泉市で保護した雄の柴犬。虐待と思われる人間不信からようやく回復してきた。


三条市の工場に置き去りにされてた雌のアフガンハウンド。頭をすり寄せて甘えてくる

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