【社会全体の問題】

平成 20年 3月 27日 掲載

昨年の一月から身近な動物たちのことを綴(つづ)ってきましたが、最終回は「人」について書きたいと思います。

七年前にわずか数名のメンバーで新潟動物ネットワークを立ち上げた時、まずは獣医さんや保健所に挨拶(あいさつ)に行きました。何の実績もない素人の集まりだったにもかかわらず、「身近な動物問題を少しでも解決したい」という趣旨に賛同して、よくぞ、門前払いせずに耳を傾けてくださったと今も感謝しています。その後、たくさんの失敗を経験しながら、少しずつ命を救う活動を積み重ねてきました。

不思議なもので、活動を進めるにつれて、動物の問題は、結局は人の問題だという思いを強くするようになりました。動物を捨てるのも人ですが、捨てられた動物たちを救うのも人にしかできないことです。のら猫をめぐるさまざまな問題は、地域の問題であったりします。また、動物たちの問題は、単に動物好きの個人で解決すれば良いのではなく、社会全体で考えるべきことです。

つい数日前に、「ペット税」をつくったら、という話を聞きました。ペットを飼っている人から幾ばくかの税金を集めれば、人と動物の共生のための社会整備ができるじゃないかというのです。すでに諸外国では実行されていることですが、使い道がわかればみんな喜んで税金を支払うのでは、とイメージが膨らみました。

いずれにせよ、今の日本は動物に対しての法の整備がもっと進まないとだめだと思います。また、動物たちを通しての人との出会いが大きな財産になっています。「新潟動物ネットワーク」という名前は、特別な誰かが動物問題を解決するのではなく、一人一人ができることを考えて実行することで社会を変えていこう、という意味でつけました。

そして、実際には、これは動物に限ったことではなくて、社会の一員として、誰もが何らかの役割を持っていて、最後はそれがつながってくるようにも思っています。新潟は人にも動物にも優しい街だと胸を張って言えるようにしたいですよね。それは、一人一人の最初の一歩から始まるのではないでしょうか。(おわり)

 


わが家の紹介です。犬の"ビッキー"と"ロロ"は11歳で個人のブリーダーから、
グレーしまの猫"みー坊"は冬の寒い日に新潟市保健所からきました。


三毛猫の"みんみん"は捨てられて、がりがりにやせていたところを拾われました。
たくさんのことを彼らから教わりました

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