***中越沖地震を受けて    <新潟動物ネットワーク 代表:岡田朋子>

【被災ペット】 平成19年7月26日 新潟日報掲載
新潟県中越沖地震に被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

中越大震災を通して経験した動物たちのことを、いつか書こうと思っていましたが、このように大きな災害が再び起きるとは思いもしませんでした。行政のペットへの支援体制は中越大震災の教訓が生かされて、地震発生翌日には県に窓口が設置され、三日目には現地対策本部が設置されました。

ペットフードやケージなどの提供だけでなく、被災動物の一時預かりや、県獣医師会による無料健康相談や応急処置など、さまざまな支援が行われて心強い限りです。窓口は柏崎地域振興局健康福祉部0257(22)4180、県の生活衛生課動物愛護・衛生係025(280)5206などです。心配事をお持ちの飼い主さんは、気軽にご相談されることをお勧めします。

その一方で、災害時の避難ではペット同伴が認められているにも関わらず、避難所では、現場の職員の判断で禁止にしたところもありました。中越大震災では、避難所に入れずにペットと共に車中泊をした飼い主さんがエコノミークラス症候群で亡くなる事故もありましたから、ぜひ、改善して欲しいと思います。

災害時の備えとして、最低三日分の餌と水、日ごろから迷子札を装着し、写真を保管すること、ブラシや排せつ袋、ペットシーツなどの飼育用品の用意、何かあった時に頼める先の確保などが挙げられます。そのほかに、中越大震災では寒さ対策が必要でしたし、今回は水不足が深刻なようです。

なってみなければ想像がつかないことも多いでしょう。災害が発生してしまった時は、できる限り同行避難が良いと思います。動物たちも心に大きな傷を受けて分離不安になったり、物音におびえるなど様子が変わることが多いので、避難環境の配慮も重要です。飼い主さんは日ごろからマナーを守り、しつけをして、緊急時に他人に迷惑をかけないよう配慮することが大切ですし、ペットを飼わない方には、ぜひ、飼い主さんと動物たちへのご理解をお願いしたいと思います。

二つの地震で共通して言えるのは、せっかく支援体制が整っていても、それを知らない方が案外、多いことです。災害時の情報に対してアンテナをたてる必要性も感じる一方で、社会の一員である動物たちの受け入れ体制がより一層整うよう願っています。


避難所に入れることを遠慮して、外の階段下で愛犬の世話をする被災者も。
行政の一時預かりなどの情報を知らなかった

▲戻る