村上市立村上東中学校
2005年11月11日
村上東中学校のPTA講演会は、とても熱心にNDNの講演会を望んだ役員の方の依頼から始まりました。
NDNでも、村上地区での活動実績は無く、村上広域情報誌2001にコラムを掲載するくらいでした。村上の方からは、のらねこの問題などが聞こえてきていました。そんな時にお声をかけていただいたのは、何かの縁もあったのでしょう。
PTA役員さんから、動物の同伴は困るという学校の要望が出されたということを聞き、今までの学校訪問でも問題なくやってきていること、こどもたちが特に歓迎していることなので再考をお願いしました。
「動物アレルギーの生徒に配慮する」という学校長の決定で学校では受け入れられないということでした。そのために、動物とのふれあいを行わない講演会の組み立てを考えました。
このような経緯のあった村上東中学校の講演会当日は校長先生が出張のため、お目にかかれず残念でした。
PTA役員の方のあいさつの後、講演会は始まりました。NDNの活動を紹介し、ペットブームと呼ばれる今、「癒し」だったり、「なごみ」だったりする動物がどうして「飼い主のいない犬猫」になるのかを、ブームとは何かを考え、動物がモノになり、ブームの果てのように「いらないモノ」になっていくことを話しました。
いらなくなった動物、飼えなくなった動物が行き付く先の1つが保健所で、ほんの一握りの動物たちが新しい飼い主さんにもらわれていくが、ほとんどは1週間以内に殺処分されています。その数は、平成16年度保健所での犬猫の殺処分数は全国で約44万匹。新潟県4,881匹(うち村上地区305匹、毎日1匹の計算)になります。
持ち込まれる理由
引っ越しで飼えなくなった
かわいそうだからのら猫にエサやってたら子猫が生まれて困る
こどもが欲しがるから買ったけど飽きたので
家族に動物アレルギーがあるので
などです。どうぶつたちは、どんな気持ちでいるのだろう、考えてみませんか?
続いて、日本の動物たちをめぐる現状について、目をつぶりたいような場面もあるけれども、もう中学生の皆さんには、しっかり見て欲しいと「残された命」のビデオを見てもらいました。
参加したスタッフから、新しい飼い主になった経緯の説明と多頭飼育現場の状況の説明をしました。
この地球は、人間だけで生きているのではない。
飼い主が登録する義務があるから野良犬って見ないが、のらねこはどうでしょう。
ある日の保健所
母猫と子猫4匹(お乳にすいついて)人馴れした母猫は
人が側に行くと子猫をぶら下げてケージ越しで寄ってくる。
ケージ内で出産して翌日に処分された。
昨日まで家庭で飼われていたのに、こんなところに...?
街中で見かける猫は野生動物ではなく、すべて元は飼い猫だった猫たち。人間と共に生きてきた猫は、やはり人の暮す場所でしか生きていけない。それがのらねこです。
これ以上不幸なのら猫や、動物たちを増やさないために、私たちには何ができるでしょうか。
オスもメスも必ず不妊去勢手術を行う
完全室内飼い
安易な気持ちで飼わないこと
です。
ビデオで見たような日本の現状を、これから変えていくのは『あなたたち』です。今、何をしなければいけないか。これから何ができるか? 若い皆さんが考えて行動してください。ということで講演会を終わりました。
「捨てないで、最後まで責任を持って」という言葉は確実に心に響いたと思います。PTAの皆さんからは、「猫は1年でこんなに増えるの? 生後半年で繁殖できるの?」と驚いたり、ビデオの映像を「生まれて初めて知った事実です」と衝撃を受けたりしたという感想をいただきました。