猫を飼う前に・・・ちょっと考えて!

猫の性質を理解しましょう

人間にとって、物を噛んだり、ひっかいたり、テーブルの上に乗ったり・・・
そんな事は迷惑な行為ですが、猫にとっては通常の行動に過ぎません。
「猫へのしつけ」はあくまで人間にとっての迷惑行為を遠慮してもらうという感覚で取り組んでください。

人間が人間にとっての迷惑行為で、猫に怒っても、猫は怒られていることがわかりません。
後で怒られても、猫はどうして怒られているのか分かりません。猫を怒るときは悪いことをした直後にしましょう。

しかし、怒りすぎや体罰は厳禁です。
性格を歪ませたり、極端におびえる猫にさせてしまうだけです。
あまり怒りすぎると、「飼い主が自分を嫌っている」と認識し、飼い主との関係を悪化させるだけです。

迷惑なことをされたら、「コラ!」「ダメ!」といった、いつも同じ言葉で怒りましょう。
注意したいのは、名前で怒らない事です。
名前を呼んで怒ると、猫は名前が怒る時の言葉と勘違いしてしまい、呼んでも来なくなってしまいます。

猫と上手く共同生活をするコツは、猫をしつけるというよりも猫の必要なものを必要な場所に用意してあげる事です。
猫にとって不満がなければ、人間にとっての迷惑行為も激減します。

猫の習性

もともと猫は夜行性の動物です。人が寝静まった夜中になると猫は走り回ったり飛び上がったり
元気いっぱい活動し始めて困る・・・、という声も少なくありません。
しかし、こういった猫の行動も人間と暮らすうちに次第に同じ生活パターンになってくるものです。
昼間猫がずっと眠らないように起こしておくという手もありますが、猫に付きっきりで過ごせるとは限りませんからそれは難しいと思います。
一番良いのは、人間が不規則な生活を避ける事です。だいたいの生活時間がわかるようになると猫も自然に飼い主と同じ生活パターンになっていくでしょう。
猫はマイペースながら環境に順応していく能力が非常に高い動物なのです。

猫のしつけ

猫のしつけにも人と同じように個性・感情があります。
だから、飼い主の言葉や態度に敏感に反応します。
猫は一年で、人間で言えば高校生くらいまで成長しますから、それだけしつけも楽です。
猫をしつける時のポイントは猫がしてもいいこと、悪いことを、はっきりさせておくことです。
そして猫は善悪が理解できませんから、しかることよりも褒めることが大切になります。
つまり、しつけの効果をあげるには、褒めることがポイントになります。

猫を飼う前に終生面倒を見れるかどうか考えて見ましょう

  • 死ぬまで面倒見る覚悟ができていますか?
    猫は長生きです。室内飼いだと平均で15年~20年くらい生きます。
    まれですが、世界一長く生きた猫は34歳でした。猫の世話は食事だけではありません。
    それを数十年続けていく覚悟が必要です。
  • 猫と暮らすには費用もかかります。
    毎日のご飯代、トイレの猫砂、爪とぎ、おもちゃ、ブラシ、キャリーケースなどなど普段必要な物から、
    不妊去勢手術、予防接種、病気、怪我などをした時の医療費など予期せぬ出費まで全て出せますか?
    最近では、ペット向けの保険もありますが、それでもいざという時の医療費はかなりの負担になります。
  • 猫を飼っても良い住居ですか?
    アパートやマンションなどではペット飼育禁止のところもまだ多いはず。
    こっそり飼い始めて飼っているのが見つかったから捨てますなんて事には、絶対にしてはいけません。人間の勝手な都合です。
    また、転居などでペット飼育不可の住居へ移らなければならないといった生活環境が予測される場合は、
    ペットを飼わないと決断することがペットへの本当の愛情でもあります。
  • 旅行や緊急の用事などで家を空ける時、代わりに面倒を見てくれる人がいますか?
    一日でも家を空ける時はご飯や水、トイレの掃除だけでも誰かに頼む必要があります。
    そんな時気軽に頼める人がいますか?
  • 家族に猫嫌いの人はいませんか?
    後々トラブルの元になります。家族であれば話し合って飼う事に同意してもらってからにしましょう。
  • 猫アレルギーではないですか?
    今まで一度も猫を飼った事がなければ気づかない事があります。どんなに猫が大好きでも、
    アレルギーならば一緒に暮らすのは大変かも知れません。
    猫アレルギーの人は、同じ部屋に一緒にいるだけでくしゃみ、目が痒くなるなどの症状が現れます。
    自分がアレルギーがあるかどうか分からない時は知り合いで猫を飼っている人がいたら一度訪問してみると良いでしょう。
  • 族に小さい子供はいませんか?
    赤ちゃんが生まれたから飼えなくなったというのも、ペットを捨てる理由の一つです。
    猫も赤ちゃんも同じように愛する自信が無いのなら、最初から飼わないでください。
    小さい子供がいるお家では、お子さんが猫の飼い方を正しく理解できるようになるまで待つ事をお勧めします。
    子供が猫を追いかけて怖がらせたり、そのつもりは無くても乱暴に扱ったりすると、
    猫の性格が歪んでしまったり怪我の元になります。
    猫が自分を守る為に、子供を攻撃するかもしれません。
    最悪の事態を防ぐためにも、時期を選んで猫を迎えましょう。
  • 引越しの予定はないですか?
    引越し先で動物を飼えない、というのがペットを捨てる理由の第一位です。
    引越しの予定が分かっているのなら、猫を飼う事は引越しした後に考えましょう。
    また、生活基盤が整っていない場合は、「ペットを飼わない」と決断することがペットへの愛情でもあります。
    次の家で飼えないから「ハイ、さよなら」なんて、本当に人間は身勝手です。
    どうしても飼えないのであれば、せめて新しい家族を探してあげてください。
    人の都合で飼われ、人の都合で捨てられる猫の身になって考えましょう。
    保健所や道に捨てられた猫の末路には悲しい死が待っています。

 

猫は人間を癒してくれる、とても可愛いペットです。
犬に比べて世話も楽なほうですが、それでも安易な気持ちで飼い始めるとお互いに不幸せになります。
人間の勝手な都合で、大切な家族の一員が不幸にならないように、
まず一番にあなたの心の準備をしておきましょう。

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