毎日の健康管理と猫の病気
猫の平均寿命は15歳くらいと言われています。家族として暮らす猫に長生きしてもらいたいというのは、誰しも思うもの。
また、日々の体調の変化や思わぬ怪我などにいち早く気付いてあげられるのは、飼い主さんです。
ここでは、日頃、猫の健康のためにどんな点に気をつけていたらいいか、そして、どんな変化に敏感であったらいいかについて、基本的なことだけ簡単にまとめてみました。いざ、病気がわかったときに慌てないためにも、猫にはどのような病気があるのか、少し知っておくことは大事なことだと思います。今はネット上でたくさんの情報が入手できます。病気にかかった猫のケアをする飼い主さんの経験などはとても参考になりますし、介護をするうえで励まされるものです。
健康な生活のために
- 室内飼育をすること
外からの感染症やノミ・ダニを防ぎ、事故やケガから守ります。 - 良質な食事を与えること
市販のペットフードには、食品としての基準がありません。安価なフードにはそれだけ粗悪な食材や添加物が使われているのかも。猫の飼い主さん仲間と質の良いフードについて情報を交換したり、ネットで調べたりすることも必要です。最近は手作りの食事を与えている飼い主さんも増えていますので、考えてみてもいいかもしれません。 - ストレスの少ない環境を整えること
暑すぎたり寒すぎたりしないこと、静かに眠れる場所を確保すること、ときには独りになれる時間があること、十分に遊ぶ時間があること、などが必要だと思います。ブラッシングやマッサージなどで、身体の調子を整えてあげたり、気持ちのよい音楽をかけて心をリラックスさせてあげることも良いことだと思います。
病気の徴候に気付く
次のような様子や症状が見られるときは、何らかの病気の徴候だと言えるでしょう。
- 目やにが出る
- 口や目の周りが汚れている
- よだれが多い、体臭が強い
- なんとなく元気がない
- 食欲がない
- 下痢や嘔吐がある
- 排便、排尿がない
- 目頭から目の表面を覆うように瞬膜が出る
- 抜け毛が異常に多い
- 気難しい表情をしたり、ずっと独りでいたり、反対にやけに甘えてきたりする
【主な病気】
様々な病気の中で、比較的よくみられる病気を挙げてみました。
- 6大感染症
① 猫伝染性腹膜炎(FIP)
コロナウイルスによる伝染病で年齢に関係なく感染します。
(症状)
食欲がなくなる、体温が高くなる(耳を触って熱かったら熱のある証拠です)、おなかが大きくなる(腹水)、黄疸が出る ② 猫汎白血球減少症
パルボウイルスによる伝染病
(症状)
食欲がなくなり、体温が40度以上になる、嘔吐、下痢、脱水症状になり死亡する危険もある
(対処)
予防ワクチンを受ける(3種ワクチンに含まれてます) ③ 猫伝染性鼻気管炎
2種類のウイルスによって起こる呼吸器の伝染病
(症状)
涙を流す、せき、くしゃみ、鼻汁を出す、ひどい結膜炎を起こし、失明に至ることもある。
(対処)
予防ワクチンは開発されていないので、気になる症状があったら、早めに動物病院に行きましょう。 ④ カリシウイルス感染症
猫カリシウイルスというウイルスが原因
(症状)
ウイルスの型により症状は違いますが、発熱、口内炎、上顎、舌、唇に腫瘍ができるタイプと関節炎や肺炎を起こすタイプと様々。
(対処)
ワクチン接種を受ける(3種ワクチンに含まれてます) ⑤ 猫白血病ウイルス(FeLV)
白血病を引き起こす事もある感染症
(症状)
体重減少、発熱、口内炎、リンパ節の腫れ、鼻炎、貧血、下痢
(対処)
感染しているかどうかは、血液検査でわかります。(検査キットがあります)
●陽性
陽性と出ても病気を示しているわけではなく、保菌の猫ということになります。免疫(病気と闘う力)が低下しており、
病気にかかりやすい状態になっています。発症すると予後が心配です。 病気にかかりやすい状態になっています。
発症すると予後が心配です。 ●陰性
三ヶ月以内の感染は、血液検査でも陰性と出ることがあります。予防接種により防ぐ事ができます。
(4種ワクチンに含まれています、もしくは白血病のみのワクチン接種もあります) ⑥ 猫猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)
通称猫エイズ、猫エイズウイルスを持った猫から噛まれることで感染
(症状)
ウイルス感染すると、一ヶ月位から軽い発熱があり、リンパ腺が腫れますが、数週間でこの症状は回復します。回復すると、外見上は感染しているかどうかわからない無症状キャリアになり、数年間この症状が続きます。やがて、ウイルスによって体内の免疫力が破壊され、抵抗力が弱まったところで他のウイルスや細菌に感染し始めます。発病後は、慢性口内炎、発熱や下痢等が起こり次第に症状は進行していきます。
(対処)
早期発見が鍵を握ります。検査で結果が判明しますが、陰性でも外出をやめさせない限り感染の危険性は高くなります。まずは、完全室内飼いをすることです。日本の外猫(地域猫)の感染率は10%を超えています。 - 腎不全
腎臓の病気は、猫が年を取るに従って起こる可能性の高いものです。ただし腎臓の組織は強いため、その三分の一以上に問題がない限りは病気の徴候が現れません。また、一度破壊された組織は再生しないことから、病気の治療は困難となります。
初期の徴候は、水を大量に飲むこと、排尿の頻度が高くなり色の薄い尿を大量に出すこと、体力が低下することがあること、食欲が低下すること、吐き気や嘔吐が2~3日続くことなどがあります。 - 乳房の腫瘍
不妊手術をしていない高齢の雌猫に多く見られ、多くの場合は悪性です。このことから、若いうちに不妊手術を受けておくことは、病気の予防にも役立つと言えます。 - 膀胱の障害(膀胱炎、尿石症)
頻繁にトイレに行くこと、尿中に血液が混じることなどが症状としてみられます。長時間尿が出なくなることは、危険な状態を招きますので、早急に獣医さんにみせてください。
● 病気になったら
まずは動物病院へ行きましょう。病状についてわからないことがあれば、何度も聞いてしっかり説明をしてもらうようにしましょう。それは、その後の治療を行ううえでも、まずは状態を把握しておかなければいけないからです。
ただ、猫の病気については、以前よりは解明がされているとはいえ、まだまだわからないことも多いように思います。掛り付けの獣医さんの診断に疑問を持つようなら、セカンドオピニオンを求めて他の獣医さんにも診察をしてもらうことも時には必要だと思います。
最終的には、猫の将来を真剣に考え、24時間見守り、適切と思える治療を選択できるのは、飼い主さんを置いていないと思います。その飼い主さんがパニックになっては、冷静な判断ができませんから、そういう意味でも日頃からどのような病気があるのかを知っておくことは役に立ちます。
●様々な治療法
動物病院での治療(西洋医学)以外にも、家庭でできるような治療はいくつかあります。選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。- 栄養療法
- ハーブ療法
- ホメオパシー療法
- マッサージ療法
- フラワーエッセンス療法
- レイキヒーリング
以上、猫の日頃の健康管理と病気について基本的なことを挙げてみました。
最初にも書いてありますが、家族同様可愛がっている愛猫が元気に過ごせるよう健康管理にも気を配り、守ってあげる必要があります。
また、いつしか病気になってしまうことも十分考えられますのでいざという時の心構えと介護することについて家族の皆さんと話合っておくことも大切です。
いつまでも元気に一緒に過ごせるために考えてみましょう。
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