猫の飼い方

愛らしい仕草と奔放な性格が人気の猫。様々な種類がいるのも魅力の一つです。
正しい猫の飼い方を知って、猫と楽しく、楽しい生活を送りましょう。

猫の年齢と寿命

猫(犬)の年齢には、幾つかの説があり一概には言えないのですが、本によっても書かれている事に若干の差があります。
室内飼いの重要性の認識と、医療の発展と共に昔に比べると猫の寿命もかなり延びて来ました。完全室内飼いで、健康管理に気を付けて育てれば、15歳前後は生きられると言われています。中には20歳を超えるご長寿の猫も増えているようです。
それに反して、外で生活するのら猫の寿命は平均4~6歳位だそうです。

猫の年齢 人間の年齢 ※種類や飼育状況などにより、個体差があります。
※換算年齢はあくまで目安です。
1ヶ月 1歳
3ヶ月 3歳
6ヶ月 9歳
1歳 17歳
2歳 23歳
5歳 36歳
8歳 48歳
10歳 56歳
15歳 76歳
20歳 96歳

猫を飼う時に準備するもの

事前に用意するものはキャットフードは勿論、ご飯用と飲み水用の食器、トイレとトイレの砂、爪とぎ、キャリーバックです。爪きりやブラシ、遊ぶためのおもちゃなどは、少しずつ揃えていけば大丈夫です。


飼い始める前に健康診断を

子猫に限らず、猫を保護したり飼い始める時は動物病院で健康診断をしてもらいましょう。
※NDNでは譲渡前に健康診断を保護者さんよりしていただいていますが、お腹の寄生虫など一度で駆除できていない場合もありますので念のために再検便をしてもらうとより安心です。

検便

検便して解かる事が多いです。寄生虫(回虫・瓜実条虫など)や原虫(コクシジウムなど)の有無が顕微鏡で発見できます。下痢が続いている場合も、先ずは検便をしてください。駆虫が必要なのか、抗生物質などの投薬が必要なのか、それとも整腸剤で済む事なのかを見極める為に、検便は不可欠な検査です。

駆虫

検便の結果で解かる寄生虫もありますが、条虫のように卵を産まず、体の片節が体外に出て初めて気づく寄生虫もあります。白っぽいゴマのようなものが便の表面に付着していたり、肛門の周りに見かけたりしたら、瓜実条虫がいます。あまり害を及ぼす寄生虫ではありませんが、多くなると腸の炎症を起こしたりしますので、動物病院で駆虫薬を貰って飲ませてあげてください。

検便の結果に関わらず、外で暮らしていた猫を家に入れる場合には念の為に駆虫しておいた方が良いでしょう。先住猫がいる場合は特に注意してあげてください。

ノミ駆除

外にいた場合、ほとんどの猫に蚤(ノミ)がいます。ノミは肉眼で確認出来る大きさを持っていますが、目で確認出来なくとも、ノミの糞(黒っぽい小さな粒)があればノミがいるという事です。
駆除方法としては、「フロントライン」や「アドバンテージ」という液剤を首の辺りにスポットで垂らします。
およそ1日か2日のうちに体についたノミの成虫は床に落ちて死滅します。ただし、1日~2日経ったからといって安心は禁物です。他の猫との接触、室内への開放は慎重にしましょう。

ダニ駆除

「ダニ」とひと言に言いますが、ダニは猫に限らず家の中には無数にいるものです。その中で猫に害を及ぼす影響のあるダニは体に寄生して吸血する「マダニ」、耳の中に寄生する「耳ダニ」です。
特に耳ダニは猫は非常に痒がり、ハゲやカサブタが出来るほどに掻きます。耳の中のダニは非常に駆除しにくいので、根気強く薬をさして完全に駆除しないと再発しますし、他の猫にもうつります。耳ダニがいれば、耳の中は一日で真っ黒になるので直ぐに判ります。動物病院できちんと治してあげましょう。

猫を迎えたら

猫はとても神経質な動物です。
環境の変化は大変なストレスになっていますので、慣れるまではしばらくそっとしておいてあげましょう。むやみに触ったりするのは避けて、優しく声をかける程度にしましょう。

お部屋の隅のほうでうずくまったりしている場合は、優しく撫でてあげると良いです。逆に逃げてしまったり、うなり声を上げるときは離れたところからそっと見守るなどして様子を見ましょう。

子猫の場合、今まで一緒に生活していた母猫や兄弟と離れて寂しがって鳴くことがあります。そういう時は、今まで生活していた時に使っていた毛布やおもちゃなど匂いのついたものを一緒に置いてあげると安心して鳴かなくなるでしょう。ご飯を食べ、元気に走り回るようになったら新しい環境に慣れたしるし。たくさん遊んであげてください。

猫のしつけ

猫にも人と同じように個性・感情があります。
だから、飼い主の言葉や態度に敏感に反応します。猫は一年で、人間で言えば高校生くらいまで成長してしまいますから、それだけしつけも楽です。
猫をしつける時のポイントは猫がしてもいいこと、悪いことを、はっきりさせておくことです。そして猫は善悪が理解できませんから、しかることよりもほめることが大切になります。つまり、しつけの効果をあげるには、ほめることがポイントになります。

無理やり言うことをきかせようとすると信頼関係を崩してしまいます。体罰は決してやってはいけません。

できるだけ、飼い主の方が猫にいたずらや問題行動を起こさせないような環境づくりをしていってください。猫が落としそうなものを置かない、食べ物を手の届くところに置かない、ゴミ箱をいじらないようにするなどです。

そして、悪いことをしたときはその場で「ダメ!」など強い言い方で声をかけましょう。
この時、猫の名前を一緒にして言うと、名前を呼ぶたびに怒られるという印象を与えてしまいますので、名前は呼ばずに「ダメ」「コラッ」というだけにしましょう。

トイレのしつけ

~トイレもお気に入りの物を~

猫にトイレをしつけるのはそれほど難しいことではありません。
しかし気にいったトイレでないと使ってはくれません。問題はトイレそのものよりも猫砂のほうにあることが多いようです。いくつか猫砂を用意して、どれが気にいってもらえるのかためして見るのが良いでしょう。比較的好まれるのは粒の細かいサラサラしている物のようです。また、フードつきトイレは好き嫌いがあるようです。トイレは、1フロアーに最低でも1~2個(1匹につき)用意してください。

~清潔なトイレが好き~

猫はとてもきれい好きな動物です。
猫は用を足したくなると、そわそわ落ち着きがなくなり、その場で砂をかく動作をします。これを見つけたら、急いでトイレの場所まで連れて行きます。なかなか、用を足せない猫には、前肢を持って砂をかく動作をさせます。上手にトイレが使えたら、たくさん誉めてあげてください。

トイレを覚えさせるポイントは

・トイレは窓際や壁などがある落ち着いた場所に設置する。
・トイレの掃除はマメにする。
・猫砂の入れ替えはその都度量をみてつぎたす。
・いつも同じ場所に置く。あちこち場所を変えないこと。
・おしっこの邪魔はしない。
落ち着いて、おしっこができないと我慢するようになり尿石症になってしまう場合も。

砂場で用を足す習性のため、砂を使わないトイレを使用する場合にはトイレを覚えさせることが少し難しくなるようです。もしも粗相をしてしまったときは、尿石症などの病気もしくはトイレが清潔に保たれていないといったことが考えられます。確認してみましょう。トイレが不潔だと、猫ちゃんも使うのを嫌がります。
砂の入れ替えだけでなく、時々はトイレ容器も洗いましょう。案外匂いがついていたりします。排泄のたびに排泄物を取り除いてあげる習慣をつけましょう。

爪とぎのしつけ

~つめとぎ器の設置~

猫は爪を研ぎながら、なわばりに自分のにおいをこすりつけます。
また爪とぎで気分転換をしたり自分のにおいをこすりつけるマーキングをしています。爪とぎは猫の本能なのです。家の壁、柱など所かまわず爪とぎ場所にされてしまわないために爪とぎ器を置いて猫に覚えさせましょう。
また爪がとがってくるとケガの元になります。定期的につめを切ってあげましょう。
床において使用するのが好きな猫もいれば、壁などに掛けたりしているものが好きな猫もいます。後者の場合は、木などを引っ掻くのが好きな猫ちゃん向きです。段ボール製、じゅうたん製、布製(ジーンズなど)、板製(洗濯板のように溝が切ってあります)、麻縄製のものなどがあります。キャットタワーなどのポール部分で代用しても構いません。柱にじゅうたんを巻きつけてもよいでしょう。
段ボール製は、くずがポロポロ落ちてしまって好まれない方もいますが、じゅうたん製・布製は、その素材が家具として家の中に存在するので、猫にとって爪とぎか家具かを見分けることが難しいかも知れません(カーペットを爪とぎと間違える猫ちゃんのことです)。
爪が引っかかりやすく、家具にない素材のものを爪とぎに選ぶと、「同じ素材のものはすべて爪とぎ」という状態にならないようです。

~つめを切るとき~

猫の爪が伸びていると、じゃれたりしたときに爪でひっかいて人間に思わぬ怪我をさせてしまったりすることがあります。また家具で爪とぎをして台無しにしてしまうこともあります。そんな時は、つめの先をほんの少し切ってあげます。
猫のつめを光にすかして見ると、透き通った部分とにごった部分があります。切るのは透き通った部分たけ、1ミリから2ミリだけです。にごった部分には血管が通っているので、絶対に深く切り過ぎないように注意しましょう。

猫のしぐさ

喉を鳴らしたり、尻尾を動かしたり、猫はいろいろな方法で自分の気持ちを飼い主に教えてくれています。猫がこんなしぐさをしたらどうして欲しいのか分かっていると、まるで猫と話をしているような親近感がうまれますし、お互いの信頼感も芽生えてくるかと思います。

鳴き方

「ニャッ」
短く鳴くのはちょっとした挨拶代わりのようなもの。名前を呼んだ時も短く「ニャッ」と鳴いてお返事してくれます。

「ニャー」 「ニャオーン」
長くのばして鳴くのは、何かお願いがあるとき。「ごはんちょうだい~」とか、「遊んで~」とかしてほしいことがあるときです。

「ニャーッ」
長く強い声で鳴くときは猫が嫌がっているとき。機嫌が悪いのに無理やり触ったりするときこんな風に鳴くことも。

しぐさ

●尻尾をピンと上に立てているとき
尻尾を立てて寄ってくるのは嬉しいとき。子猫のときに、母猫からお尻をなめてもらっていたので、好きな人には尻尾を立ててお尻を見せてスリスリしてきます。

●喉をゴロゴロ鳴らす
とてもリラックスしていると喉をゴロゴロと鳴らします。「遊んでくれるの?」とか「撫でてくれるの?」と期待している時にも思わずゴロゴロと鳴くことも。

●スリスリ体を擦り付けてくる
お気に入りのものや人に自分の体をスリスリするのは、なわばりに自分の臭いをつけることで安心することからのようです。と同時に、スリスリするのは好きな人やものなので、尻尾もピンと上を向いているはずです。

●ヒゲがピンと張っている
嬉しいときはヒゲがピンと立ちます。遊んでいる最中猫のヒゲに注目してみると、ピンと張ってヒゲが顔の前側に向いているのが分かるかと思います。緊張している時も同じくピンとヒゲが立っています。
逆にリラックスしているときは、だらりと下がっています。

●ゴロンと寝ころがる
目の前に来てゴロンとお腹を出して寝るときは「遊んで欲しい」とか「撫でて欲しい」とかの合図。お腹を見せるのは安心して飼い主に甘えているしるしです。

●尻尾をパッタンパッタンと振る
ゆっくりと大きく尻尾を振るときは、気持ちがリラックスして安心しているとき。撫でられている時も同じです。

●尻尾をパタパタパタと振る
パタパタと早く大きく振るときは機嫌が悪い時。犬なら喜んでいる時のしぐさですが、猫は犬と反対なので間違えないように。

●耳を後ろに伏せる
耳をペタンと後ろに伏せるのは、怒ったり恐がっている時。ケンカする前や飼い主に怒られるときにも耳を後ろに伏せます。

●尻尾が爆発したように膨らむ
ビックリした時は、尻尾がボワッと太くなり背中の毛と一緒に逆立ちます。突然大きな音がしたときや、知らない人に会ったときなどに見られます。

猫と仲良くなるには

撫でられるのが大好きな猫も、ちょっと苦手な猫もいます。
上手に撫でてあげれば段々と仲良くなっていきます。

仲良しの基本は撫でること

猫と一緒に暮らすなら猫を抱っこしたり撫でたりとしたいと思うのは誰しも同じです。けれど、中には触られるのが苦手だったりする猫もいます。そういう場合は、普段の健康チェックなどがしにくくなりますので、なるべく無理をしない範囲でゆっくりと時間をかけて触られても大丈夫な猫になってもらいましょう。それには、「人に撫でられるのが気持ちがいい」と猫に思ってもらうことが大切です。
撫でられるのが好きな猫の場合は、大丈夫です。今まで以上に撫でてあげてください。

撫でる部分

猫が撫でられて喜ぶ部分は顔の周りです。猫は顔の周りだけは自分で舐めることができません。そこで、猫同士で顔を舐めたり、人に撫でてもらうと気持ちがいいようです。
撫でる部分はおでこだったり首のあたり、喉の下などです。
撫でてみて喉をゴロゴロ鳴らしたりヒゲが前に向いてきたら気持ちよく撫でられている証拠。触られるのが大丈夫な猫には、胸や背中、お腹もなでてあげると良いです。お腹は動物にとっては急所です。猫がお腹を見せるのは飼い主を信頼しているからこその証です。飼い主冥利に尽きます。

猫の健康管理

環境にも気配りを

猫の理想的な空間は、飛んだり跳ねたり、思いっきり自由に走り回れる平らなスペースと、安全かつ安心なある程度の高さのあるスペースの2つが必要です。具体的には一頭あたり2部屋以上が必要でしょう。また部屋から部屋への移動も自由に出来るように絶えず少しあけておいてあげる等の気配りも必要でしょう。

安心して寝られる場所を

猫はよく寝ます。一日の大半を寝て過ごします。それだけに寝床には気を使ってあげてください。
と言っていくら高価な寝床を用意しても自分が気に入らなければ絶対に寝てくれません。お気に入りがダンボールだったりセーターだったりも珍しい事ではありません。
一番気を配って欲しい事は、寝床を清潔に保つと言うことです。タオルやセーターはまめに洗濯して清潔にしておいてください。また寝る場所は季節や温度によってあちこちに移動します。猫が移動したら、新しい場所にお気に入りの寝床を移してあげてください。

快適な空間

・高い位置に上れる段差がある。
・走りまわれる空間がある。
・エアコンなどで快適な室温が保てる。
・日向ぼっこできる場所がある。
・猫ハウスなど、落ち着いてお昼寝できるベッドがある。
などが猫にとって最高の場所になります。

ボディケアで健康管理

「猫が顔を洗うと雨が降る」と言う諺(?)を聞いたことがありますが、猫のグルーミングは決して珍しい事ではありません。
健康な猫は、1日に何度となくグルーミングを行い、体についた汚れを落とし、余分な毛をすき取っています。このグルーミングが毎日きちんとできているかも大事な健康のバロメーターとなります。
しかし、このグルーミング毛が原因でおこる毛球症という病気があります。飲み込まれた毛が胃に大量にたまってしまうと、消化器症状を起こしてしまいます。特に長毛種で問題になります。
毛を吐かせる専用の薬もありますが、ブッラッシングをして抜け毛を少なくしてあげることが一番の予防になると思います。
歯石に対するケアも大切です。食事を歯石が付きにくいドライフードにするとか、だらだら食いをさせないとかの配慮も必要ですが、やはり歯ブラシが一番効果的な予防法でしょう。

健康管理は毎日の食事から

手づくりの食事はどうしても栄養にかたよりやすくバランスを取るのが大変だと思います。やはりキャットフードの方がカロリーや栄養素がバランスよく含まれていてお薦めです。人間の食べ物を与えると塩分や脂肪が多すぎるうえに動物たんぱく質などの栄養素が不足し病気の原因になります。
猫に必要な栄養のバランスを考えてつくられたキャットフードをあげましょう。年齢に合った猫用のペットフードを与えましょう。子猫用・成猫用・老齢猫用などがあります。

そして最も重要な事は、愛猫のライフスタイルにあった物を与えると言うことです。食事の回数ですが、猫は通常、1回に食べる量は少量で1日に何回も食べるいわゆる「猫食い」をします。
しかし、管理が大変なことや、食欲にまかせて食べてしまうと肥満の問題、唾液が絶えず出ていると歯石等の問題もあり1日に3~4回に分けて与えるのが望ましいでしょう。
そして猫は、夜行性の動物です。夜の方が食欲が増加します。夜与える食事の量をやや多めにして、日中与える量は少し少な目にしてあげた方がいいかもしれません。
いつでも新鮮なお水が飲めるようにしておくことは大切な事です。

猫のご飯には大きく2つのタイプがあります。ドライタイプ、生(缶詰)タイプの2種類です。ドライタイプは日持ちするので便利ですが、水分がないため水もたっぷりあげましょう。生タイプはドライよりも食いつきが良く猫も大好きです。
しかし、傷みやすいので開けたその日のうちに食べきるようにします。特に夏場は腐りやすいため食べきれる分だけあげて残りは冷蔵庫などで保存しましょう。

☆与えてはいけないもの☆

・ たまねぎ(貧血状態に陥り、最悪だと死に至ります)
・ 人間用の牛乳(猫では消化できない成分が含まれていて、下痢をおこします)
・ 豚の生肉(トキソプラズマという原虫が入っている恐れがあります)
・ エビ・イカ・タコ・スルメ(消化不良を起こす恐れがあります)
・ 人口調味料が入った食品(猫の体では消化できない成分が入っている事があります)
・ 鶏の骨(かじったら骨の先が尖ってしまい、のどに刺さってしまいます)

☆1日にどれくらいあげればいいのか☆

1日にあげるご飯の目安としては、与えるフードに記載されているグラム数を基準として
猫の健康状態や体型によって調整してください。
肥満が気になる猫ならば、肥満防止用タイプのご飯もありますので切り替えてみるのも良いでしょう。

ワクチン接種で感染予防

現在ワクチンは、猫汎白血球減少症・猫ウイルス性鼻気管炎・カリシウイルス感染症の3つの病気を予防できる3種混合ワクチンと猫白血病を予防するワクチンの2種類があります。どの病気も猫にとって大変やっかいな命に関わる病気ばかりです。ワクチン接種で病気を未然に防ぎましょう。
接種時期は、生後2~3ヶ月の時期に1回目を、それから1ヶ月後に2回目を接種します。その後は毎年1回の追加接種です。

避妊・去勢について

病気予防の面においても、子どもを取らない場合の猫には去勢・避妊手術は受けさせたほうが良いとされています。

発情期を迎えるとメスは甲高い声をだして鳴きまわりトイレ以外におしっこをします。
オスもスプレー行為というおしっこをかける行為をするようになります。
また避妊をしないと子どもの数はネズミ算式に増えてしまいます。
生後6ヶ月を目安に去勢、避妊手術を受けましょう。去勢・避妊手術をすると生殖器の病気になる確率も低くなります。性格が温厚になり、より甘えた猫ちゃんに育ってくれることでしょう。

詳しくは別項目の【不妊去勢手術をしましょう】を参照ください。

ストレス解消と運動不足の予防を

猫のストレス解消と運動不足の予防には遊びが一番。
飼い主が道具を使用して一緒に遊んであげればコミュニケーションを深めるのにも有効です。猫はとっても遊ぶのが好き。気に入った遊びであればいつまでも繰り返し遊んでいます。
ひとつ知っておいて欲しい事は、猫は「垂直動物」だと言うことです。遊びには必ず垂直運動を取り入れてあげてください。キャットタワーなどがあると良いかもしれません。
遊びの代表的なものが「猫じゃらし」。長いひも(ゴム)の先に毛玉等をつけヒョイヒョイと少し動かして誘ってあげるともうたまりません。あたかも獲物を狙うような仕草でじゃれついてきます。

多頭飼いのポイント

たくさんの猫と一緒に暮らしたい!
そんなときにちょっと心配なことが、猫同士が仲良くしてくれるかどうかです。こればかりは猫同士の相性もありとても難しいことなのですが、ポイントを抑えてできるだけ仲良くできるような環境にしてあげましょう。

・新しく連れてくる子は健康診断をしてからお家へ
・初対面は時間をかけて(部屋を分けておくのがベスト)
・食器、寝床、トイレは分ける(慣れてきたらトイレを一緒にすることもできるかも)
・先住猫を優先する

お互いのテリトリーをしっかりと作り、守ってあげれば比較的に仲良く暮らせるようです。しかし、どうしても性格的に仲良くできない子もいます。猫の性格をよく知り、考えてから新しい子を迎えるようにしてください。

~猫はひとりが好き?~

猫は単独行動を好むので最近まで「寂しい」という感情がないと思われてきました。
しかし最近の研究で自分の他に友達猫がいると寂しさをまぎらわしたり複数でいることが良い刺激になることが分かりました。「猫はひとりが好き」と思うのは違うようです。是非飼える範囲内で、猫友を迎えてあげてください。
また、1匹飼いの場合の人間家族にかまってもらえない室内猫は若いうちから無気力、無反応になってしまいます。こまめに猫とのコミュニケーションをとるようにしましょう。

【猫のあれこれ】

<トイレ>
写真はごくごく一般的な「猫トイレ」で、猫砂は「紙製」を使用しています。
その他、屋根のようにフードのついたもの、スノコがついたものなどがあります。
選ぶ猫砂によっても使い勝手が違いますので、猫砂のタイプに合わせたトイレを選ぶと良いです。


 

<猫砂>
さまざまなタイプの猫砂があります。飼育環境や猫の好みに合わせて選択すると良いです。

鉱物製
ベントナイト(モンモリロナイトを主成分とする粘土)からできているもので、尿の吸収力が良い。処分方法は各自治体で異なる。

紙製
紙でできていて尿の吸収力が良い。固まるタイプとそうでないタイプがある。水洗トイレや燃焼ごみとして処分できる。

木製
ヒノキなどの木屑から作られたもので、尿が固まるタイプが多い。燃焼ごみとして処分できる。

おから製
おから(大豆のカス)からできているもので、尿が固まるタイプが多い。燃焼ごみとして処分できる。

シリカゲル製
シリカゲル(乾燥剤に用いられる)でできたもので、しばらく使って汚れたら取り替える。処分方法は各自治体による。

 
<キャットタワー>
野生の頃木を上り下りしていた猫。猫には上下運動のできる環境が運動不足解消やストレス解消にも役に立ちます。
窓から外が見られたり、自分だけの落ち着ける場所は猫にとって安らぎの空間になりますので、そういう場所をぜひ作ってあげてください。

設置場所は、猫の性格にあわせて置く場所も決めてあげましょう。猫は、ぽかぽか太陽の日の当たる場所が大好きです。

また、窓の外の景色を眺めたりして、いろいろ観察していることも多いかと思います。ですので、おすすめは日当たりのいい窓辺。人間が好きな子なら、みんなが集まるリビングの窓辺へ。逆にひとりでいるのが好きな子には静かな部屋の窓辺へ置いてあげてください。

 

<首輪と迷子札>
完全室内飼いの猫ちゃんにこそ、首輪と迷子札の装着をぜひお願いします。

万が一、外に出てしまったとき、首輪や迷子札が着いているのと着いていないのとでは、猫の発見に大きな違いが出てきます。
室内飼いだからと首輪はなくてもいいと油断せず、日頃から首輪と迷子札の装着をお願いします。

↑ごくごく普通の首輪

これとは別に「セーフティー首輪」というものがあります。

このタイプの首輪は、一定の力を加えると首輪が外れる仕組みになっています。(他にもゴムが伸びる仕組みなどもあります)

↑こちらはつなぎ目がゴムになっている伸縮性のある首輪です。

カーテンレールやちょっとした場所に首輪が引っかかり、大変な事故につながることは少なくありませんので、どこかに首輪が引っかかる可能性のある場合は、セーフティー首輪の装着をおすすめします。
首輪以外では、マイクロチップを装着するという方法もあります。
マイクロチップについてはコチラ
マイクロチップ

↑NDNで作製し、販売もしている迷子札セットです。
 
<キャリーケース>

猫を病院に連れて行ったりする際に必要なものです。動物病院などで、時々抱っこしたまま連れてきていたりする光景を見ることがあります。
しかし、だでさえ自分のテリトリーではない場所に来て緊張しているので、突発的に飛び出したりして、外に逃げてしまうこともあります。きちんとキャリーに入れて、少しでも安全・安心をさせてあげてください。

その他、動物病院は猫だけではなく犬も小動物も来院します。ペット同士のトラブルや予期せぬことが起こりえる場合もありますので、十分に注意が必要ですし、また飼い主のマナーが問われることでもあります。

 

 

<猫じゃらし等のおもちゃ>
猫との生活で切っても切り離せないのが猫じゃらしを始めとするおもちゃの数々です。
猫は元々狩りをして生活していため、動くおもちゃを追いかけるのは狩りごっこと同じです。なので、遊ぶ時はおもちゃがエモノに見えるようすばやく動かすのがポイントです。

↑定番の猫じゃらし、ねずみのおもちゃ、羽素材のもの、釣竿タイプのもの

猫は遊びで賢くなるといわれています。特に、子猫の時に遊べば遊ぶほど賢い大人猫なるといわれています。遊びは猫の運動にも、ストレス解消にもなります。


▼遊び方の例
・部屋を暗くして、壁や天井に懐中電灯の光をあてて動かすとビックリ。捕まえようと手を伸ばしたりジャンプしたり。

・床に新聞紙等を広げて、その下から新聞紙をカサカサ音をたてて猫の興味を引き、猫じゃらしをちらつかせます。猫が掴もうとしたらすばやく新聞紙の下に隠します。何度か繰り返して遊んであげてください。

 
<爪とぎ>
猫はなからず爪をとぐので、家具や柱を傷つけないように専用の爪とぎを置いてあげましょう。
↑写真はダンボール素材のもの
一生懸命(?)に爪を研いでます。後ろの猫たちは順番待ちのようです。
 

<爪切りの仕方>
爪のお手入れは、猫と接する家族の安全面や衛生面の確保のためにも大切なことです。
特に、小さなお子さんがいる家庭はまめに爪切りをすることをお勧めします。

▼爪切りの目安
子猫・・・2週間に1度
成猫・・・1ヶ月に1度
爪切りは、なるべく猫専用の爪切りを使用してください。

▼注意すること
・足の平を優しく広げるようにして、爪の先の部分を少し切る。

・あまり深く切ると、爪の下にある血管や神経を傷つけてしまうこともあるので注意してください。

・爪切りを嫌がったり、恐がる子には無理をせず、動物病院等でも爪切りをしてくれますので相談してみてください。

 

<暑さ、寒さ対策>
猫は比較的暑さには強いといわれていますし、自分で暑ければ涼しい場所を、寒ければ暖かい場所に動いて快適な場所を探します。

▼暑さ対策
近年、室内に居ても熱中症になる動物が増えています。
日中、家を留守にする際に涼しいように窓の戸を少し開けておくということもありますが、無用心ですし、猫がそこから脱走してしまわないとも限りませんので、あまりおすすめはできません。

可能であれば、エアコンをタイマーで設定して、室内が暑くなる頃にエアコンのタイマーを設定するとか、クールボードを置いてあげる等の工夫をしてあげると良いです。

▼寒さ対策
地域にもよりますが、冬の寒さは猫にとってつらいものです。室内の温度よりも接触温度が大切です。ペット(猫)用のヒーターなどは必須です
。猫は風邪、下痢になる場合もあるので、寒さ対策は必要です。また、オシッコの病気(尿路結石など)が多くなるのもこの時期です。

日中のお留守番時や夜ケージなどで眠る猫にはきちんと寒さ対策をしてあげましょう。
対策としては、猫ベッド・ペットヒーター・ペット用のこたつなどなど、たくさんの暖房グッズが市販されています。

↑「ペット夢こたつ」という商品。
赤外線ランプを使っていないのでペットの目に安心。
ペットの体が直接ヒーターに接触しないよう保護網付き。

また、市販猫グッズををわざわざ買わなくても、段ボール箱などに入り口の穴をあけ古いセーターや毛布を敷いて猫ハウスを手作りすればかなり暖かい場所をつくれるでしょう。
ぜひ、猫の要望を聞きつつ環境に合った対策をお願いします。

↑多頭飼いのだと写真のような「猫団子」が見られるかも。
 

<お留守番について>
猫にお留守番をさせるとき。
それは毎日仕事に出かけている時や例えば家族みんなで旅行などに行くときにお留守番をすることになります。

旅行に行くとき、一番良いのは動物病院ですが、猫の場合、環境の変化に敏感で慣れない場所にいることが大変なストレスになってしまうことがあります。

1~2日なら、たっぷりのごはん(この場合ドライフードが良いです。)たっぷりのお水、トイレを置いてあげていれば大丈夫です。

3日以上留守にするときは、誰かにお願いしてごはんとお水、トイレのお世話をしてもらうとよいです。
留守中に家に来てもらえば、猫はいつもと同じように家で過ごしながらお留守番ができストレスも抑えられます。
この時、お世話をしてくれる人には猫が逃げたりしないようによくお願いしておくことが大切です。環境は同じでも、知らない人が突然来れば猫もビックリしてしまいます。
もちろん、留守にする際は暑さ・寒さ対策もお忘れなく。

 

<猫と仲良くなるための5か条>
猫と仲良くなるのには、猫の気持ちを考えることが一番大切なことです。猫が嫌がるようなことは絶対に絶対にしないようにしましょう。

▼その1
「寝ているときは起こさない」
猫は人間よりもたくさん寝る動物です。もともとは夜行性なので、お昼寝も大切です。寝ているときはゆっくりと寝かせて、目が覚めたらたくさん遊んであげてください。

▼その2
「無理に触ったり、抱っこしない」
猫が嫌がっているのに無理に触ったりしないようにしてください。あんまりしつこくしたりすると、人が嫌いな猫になってしまうかもしれません。
猫は子供が嫌いとよく言われますが、それは嫌がることをする子がいるからだと言われています。なので、そういう場合は大人が子供に猫との接し方を教えてあげてください。

▼その3
「撫でる時はやさしく」
ギュッと突然手や足の先を触られると猫もビックリしてしまいます。撫でる時はやさしくしてあげてください。

▼その4
「尻尾や耳をひっぱらない」
猫の尻尾や耳はとくに敏感なので、触られるのが苦手だったりします。尻尾や耳はひっぱったりしないようにしてください。

▼その5
「猫の気持ちになって考える」
“猫に癒されたい”そう思って猫を飼いはじめる人も多いかと思います。猫を撫でたり抱っこしたりしたいところですが、猫の気分や要求を考えてあげながら一緒に暮らし、リラックスして寝ている姿や甘えたしぐさを見ることだけでも充分に癒されることと思います。


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