のら猫にご飯をあげてもいいの?

地域ねこの取り組み事例 レポート1
地域ねこの取り組み事例 レポート2


NDNには連日、猫に関する相談が数多く寄せられています。
「餌やりを咎められた」「猫を拾った」「手術してあげたいけど捕まらない」など、“のら猫”=“飼い主のいない猫”に関するものが圧倒的です。
中でも、餌だけを与えていたらいつの間にか妊娠して子猫を産んでしまったという事例が多く見られます。
「最初はあまり気にも留めなかったけど、その半年後にまた子猫を産んで、さらには子猫だと思っていた子まで妊娠して子猫を産んだ・・・
半年で1匹のメス猫からあっという間に増えてしまって、これ以上手に負えない・・・何とかして欲しい」と相談をされてくる方もいます。

いろいろな問題

「飼い主のいない猫」に餌を与えるだけの人がいます。
目の前に飢えた猫がいれば、お腹を満たしてあげたいと思うのは人として優しい自然な感情です。
でも、それだけではさらに生まれ増やしてしまうに過ぎません。
一方で、糞尿やいたずらなどで困っている人がいます。飼い猫であれば飼い主に苦情を
言うこともできますが、「飼い主のいない猫」は不満の持っていき場がなく、結局、猫を憎むようになってしまいます。
その結果、餌を与えている人との感情的な対立や、猫を傷つける事件などが起きるのです。
「飼い主のいない猫」は、自然に発生したものではありません。
飼い猫や飼い猫が産んだ子猫が捨てられたり、外出自由な猫が迷子になったりしたことが原因で増えたものです。
何よりもまず、飼い主が責任ある飼い方をすることが大切です。

地域ねことは?

外で暮らす猫(のら猫)に不妊去勢手術を施し、今いる頭数以上増えないようにしたうえで、ごみ漁りや民家への侵入を防ぐために、適切な給餌と給水を行い、食べ残しや糞尿の掃除をして管理をしていくこと、
またそのように管理されている猫のことを、『地域ねこ』と呼びます。
不妊去勢手術を行ってこれ以上増えないようにした上で、適切に餌を与え、(ごみ漁りや民家への侵入を防ぐ)食べ残しや糞尿の掃除をして管理をしていこうというものです。
外で暮らす猫の寿命は過酷で悲惨なことから平均3~5年と言われています。
管理がうまくいけば「飼い主のいない猫」の数は将来的に減少していくと考えられます。
地域ねことは、猫で困っている住民に配慮しながら「飼い主のいない猫」を減らす活動であり、猫に手を差し伸べる人と猫で困っている人の双方にメリットがある取り組みになると思います。

飼い主さんにお願いしたいこと

不妊去勢手術

不幸な命を増やさないだけでなく、オス猫のスプレー防止や、生殖器系の病気の予防にも繋がります。
猫はつらい発情のストレスから解放され、心身ともにゆったりと過ごすことができます。

完全室内での飼育

交通事故に遭わない、FIV(猫エイズ)やFelv(猫白血病)などの感染を防ぐことができます。

首輪・迷子札の装着

迷子や、万が一の事故や災害時に、飼い主さんと連絡が取りやすくなります。

 

交通量が多く住宅が密集している地域で猫を屋外で飼うことは近隣への迷惑だけでなく、交通事故、感染症、猫同士のケンカなど猫自身への危険もいっぱいです。
また、猫の繁殖能力はとても高いので、生まれる猫すべてを適切な環境で飼えないなら繁殖制限手術をしてください。
人も猫も快適に暮らすためには、その環境にふさわしい飼い方が求められます。
飼い主がこれらを徹底すれば、不幸な猫の無限連鎖も改善していくと思います。
では、今いる「飼い主のいない猫」にはどのように対処していけば良いでしょう?
いろいろな考え方がありますから、猫が好きな人、嫌いな人、どちらでもない人の意見を聞きながら、地域の実情に合わせたルールを作ること、住民合意のもとに猫と共存していくためのよりよい方法を考えていくことが大切です。

よく「餌をやるから増える」といわれますが、正確には「手術をしないから増える」のです。
餌やりを止めて猫が減った例は過去になく、実際には、目にしなくなっただけで、狭い町内を餌を求めてさまよっています。それは、問題を他人に押し付けているだけで、根本的解決には程遠いのです。餌やりを止めてもやせ細った体で子猫を産み、糞尿をします。
まず、飼い主には適正飼育を、餌やりさんには手術と掃除をお願いします。
餌をあげるだけでなく、糞尿の始末・餌やり後の掃除・不妊去勢手術これらをきちんと責任を持って取り組めば、「餌やり反対」と苦情を言っていた人も真剣な取り組みを目にし、きっと心動かされることがあると思います。

また、これらの状況を踏まえて、不幸な命がこれ以上増えないよう、NDNでは「のら猫不妊去勢手術助成金」という制度を設けています。
詳しくは別途お問い合わせください。

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