【リホーミング】

平成 19年 2月 8日 掲載

家族の一員として犬や猫を迎え入れたいと思った時、どのようにしてその「特別な一匹」に巡り合うのでしょうか。猫はペットショップのような専門店の他、身近でもらい受ける話もよく聞きます。犬は専門店での購入が一般的です。もう一つの方法として”リホーミング”(飼い主がいない犬や猫に新しい家庭を紹介する事)があります。

新潟県では、毎年四千匹以上の犬や猫が刹処分されているのが現状ですが、少しずつリホーミングが浸透しているように思います。

活動を始めた当初、子犬・子猫の希望者さんはいても、大きくなった犬猫を希望する方はあまりいませんでした。たしかに「新しい家族」として迎え入れるのに違和感があるのでしょう。保健所やセンターに収容される犬は、若くても二、三歳、多くが五、六歳以上です。猫の場合はほとんどが子猫ですが、人になれた成猫も収容されます。

言葉を話せない彼らがそれまでどんな暮らしをしていたのかは、推測するしかありません。一匹でも多くを救いたいと思う一方で、果たしてそれが人にも動物にも幸せな暮らしにつながるのだろうか、と考える事もありました。

平成十四年三月、一匹の犬が命を救われました。
「おとなしくて、もらわれにくそうな犬を紹介してください」
三日後には処分予定の年老いた迷子犬を紹介しました。その犬はジミイと名付けられ、新潟から長岡(旧越路町)までもらわれていきました。当時は健康診断もせずに譲渡していたので後からわかったことですが、ジミイは重度のヘルニアを持っており、わずか一カ月半で第二の?犬生?を終えました。

このような結果になり飼い主さんには申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが「ジミイが少しでも幸せを感じてくれたなら、私は幸せです」と言葉をかけていただきました。それからもいろいろな出会いがあり、大人の犬や猫を飼う事の良さや楽しみを、むしろ飼い主さんから学ぶようになりました。種類でもなく、年齢でもなく、どこで出合うかでもなく、心が通い合ったその瞬間から、お互いが「特別な存在」になるのだと。

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