【N.D.N立ち上げ】

平成 19年 1月 25日 掲載

人は時として、その後の人生に大きな影響を与えるような「出会い」をする事があります。単なる 動物好きだった私は、ある一枚のチラシがきっかけでした。「動物園の動物は幸せなの?」檻(おり)の中を行ったり来たりしたり、檻をなめる行為が動物のストレス行動だと知り、それから動物問題に関心を持つようになりました。

チラシを作った「地球生物会議ALIVE」という動物愛護団体は、ペットに限らずさまざまな動物たちの権利や福祉の向上を目指し、法律の改正などに取り組んでいる会で、私も署名を集めたりパネル展示のお手伝いをしてきました。そして、処分されるペットの現状を知りたいと思い、犬抑留所に行くようになりました。

それは人目につかない場所にある小さなプレハブ小屋で、毎週木曜日が殺処分日でした。飼い主を待ち必死に吠(ほ)える犬、あきらめてうずくまる犬、お互いに身を寄せて鳴く子猫の姿が目に焼きつき、私には何ができるのか、何をすべきなのかを考えるようになりました。

平成十三年七月「この子達を救いたい」の著者、濱井千恵さん主催の「動物サミット2001」が名古屋で開催され、十名ほどの仲間で参加しました。県外のさまざまな会の活動に触れ、一人一人が動物への熱い思いを語り合う中で、身近な動物問題に取り組める会を立ち上げてみようと話し合いました。

会の名前は、私たちが住む「新潟」と「動物」とを結ぶ大きな輪になることを願って「新潟動物ネットワーク(N.D.N)」に決めました。

勉強会や見学会をする一方で、処分されてゆく命を救う力はないけれど何かできることはないかと考えて、動物たちを収容する県内七カ所の動物保護管理センターなどに古毛布を送るようになりました。

施設の冬場の寒さはかなりのもので、じっとコンクリの上で立ち続けていた犬が安心して毛布の上にうずくまる姿を見て、ほんの少しだけ役に立ったかなあと思いました。一匹の命を救うこともできない、ちっぽけな会の出発でした。

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