今までの経緯 2008.4.29(現在)

2002年、一人の男性が80匹近くの犬・猫を酷い環境で飼育しているという連絡を受けて始まった多頭飼育改善活動は皆様の善意に支えられて、今年で6年目を迎えました。

活動当初、飼い主は「かわいそうだと思って連れて来ているうちに自分の手に負えなくなった」と言っていました。
その時、飼い主は借金の返済が滞り、動物たちと共に立ち退きを迫られていました。
「このままでは動物たちの行く場所が無い、助けて欲しい」と泣きつかれ、動物たちを心配したスタッフの一人が手助けしたという経緯がありました。

「一人で管理できる頭数に減らす」「月々の返済をきちんとする」などの約束の下、一年間くらいで頭数を減らす目標は達成できる予定でいました。
しかし、すぐに飼い主が動物とゴミに対して異常なまでの収集者であることが判明します。
スタート時点での犬猫の数が約80匹・鳩数羽で始まり、現在犬30匹・猫18匹・鳩7羽・鶏18羽ですが、今まで200匹以上の犬猫を新しい飼い主さんへと送り出した経歴を考えると、どれだけここの飼い主が動物たちを連れて来るかわかっていただけると思います。

いくらこちらが増やさないでと言っても聞き入れることはありません。
「約束したでしょう」と言っても「そんな約束はしていない」「棄てられていたんだから仕方ないだろ」など・・・
連れてくる犬は主に純粋な柴犬や小型犬がまとめて入ってきます。
出産後のメス犬が多く、繁殖業者から引き取ってきたことが推測されます。
もちろん飼い主はいろいろと言い訳をして本当のことは話しませんが・・・

また飼い主は私たちがこの現場で活動している事をいいことに、「俺が中心になってボランティアと一緒にやっている保護施設」と事実とは全く異なる事を回りに触れ回っており、近所や知人などから犬や猫を引き取ってきます。
先日、その言葉を信用した近所の若い女性が茶トラ猫3兄弟を預けました。
後日に、この女性はいろいろと調べてここのHPを発見し、「猫たちを返して欲しい」と訴えたものの「お前には飼う資格が無い」とはね返され、私たちに相談に来ました。
その後、この子の家族をも巻き込んで返してくれるよう説得しましたが断固拒否、そして私たちが作った猫部屋に南京錠をつけて中に入れないようにして世話が出来ない状態になりました。
掃除はしないのでトイレは糞尿で汚れ餌入れは空の状態、見かねたスタッフが隙間からフードを入れることがしばらく続きました。

「猫を返してください」と泣きながら頼む預け主に対し、「俺の猫だ!返さない」と肩を押し、手助けをした女性スタッフに対しても体を押し倒し、威嚇で石や鉄パイプを投げつけたりもしました。

飼い主の機嫌を損ねると現場への立ち入りが困難になり、動物たちの世話が出来なくなります。
スタッフは憤りを感じながらも、我慢して世話を続けて来ました。
あまりの行為にこれ以上飼い主と関わっていくのは困難では?とスタッフが次々と離れていき、撤退の話も出ました。
しかし何とか現在まで作業を続けてきました。現場に残された動物たちのために・・・

本来なら活動開始時の死骸が散乱している状態の時に行政に訴え出ていれば虐待としてとりあげられ、もっと早くに解決出来たのかもしれません。
しかし、当時NDNは会を発足したばかりで、このような特殊な現場にも遭遇した事が無かった為、とにかく犬猫の環境を良くしようという事だけを先行してしまいました。
そのため、行政に相談した時には既に現場はきれいになっていて虐待とはとりあげてもらえませんでした。

登録狂犬病予防接種をしていなくても現場の犬猫達は飼い主の所有物です。
譲渡の引き出しの際も、具合の悪い子を獣医に連れて行くときも飼い主に許可を取っています。
動物の引き出しは事前に段取りをし、飼い主の機嫌が良い時を見計らって引き出すという大変な労力毎回はらってきました。
引き出し直前になって「やはりまだ駄目だ」「そんな約束はしてない」など、その時の気分しだいで考えを変える飼い主に手を妬き、何度も無駄足を運んだりしながらも今まで200匹以上もの犬猫を譲渡してきました。

6年前にも飼い主は借金の返済ができず、立ち退きを迫られていました。
「このままでは動物達の居場所がなくなってしまう!」そう言って、飼い主はスタッフに泣きつき、スタッフは「動物達がかわいそう」と行政書士を介して月々の返済などを約束に善意で借金の代弁済を行いました。
そしてその一方で、現場の犬猫たちを何とか一人で世話できる数まで協力して減らそうという話し合いが行なわれました。

しかし、実際には借金を代弁済した途端に態度が変わり、現場の犬猫は渡さない、それどころかどんどん増やす収集癖があることが判明しました。
結局は返済はほとんどされず、そのたびに督促や話し合いをするとその時だけ返済するという状況で5年が経過しました。
その間、仕事を紹介するスタッフもいましたが「条件が良くない」「疲れる」などと長続きしませんでした。
1年半以上全く返済されない状況が続いたことから弁護士さんに相談し、法的手段に訴えることになりました。
そして裁判で勝訴して土地を明け渡す判決が下りました。

現在飼い主は現場に「不法占拠」状態なのですが、あいかわらず動物を増やし続けています(三ヶ月で犬4匹、猫10匹)。
このままではいつまでも状況は変わりません。
そこで動物たちの権利がNDNにものとなるように「立ち退き」を求める裁判を起こし、勝訴の判決がでました。

今後ここの飼い主に「立ち退き」を求めていきますが、おとなしく立ち退かないだろうというのが6年間関わってきたスタッフの見解です。

飼い主はこれまで、「働いて、毎月きちんと借金を返済しなければ」という意思がありませんでしたし、実際ほとんど返してきませんでした。
そして高齢の為、今後は借金の返済はおろか生活費もだんだんと稼ぐ事が困難になると思います。
飼い主の今後の生活は行政に協力を得ながら(飼い主に生活保護を勧めています)進めていますが飼い主が応じないときは「強制執行」を行います。
強制執行は、執行官の判断により方法がだいぶ異なり費用も大幅に違ってきます。

作業開始時、行政の協力を得て現場をきれいにしたのですが、現在廃車やコンテナが10台以上。
ゴミの収集癖のあるここの飼い主の敷地にはたくさんの冷蔵庫や洗濯機、テレビ・タンス・机・椅子、その他わけのわからない粗大ゴミが雨ざらしになって高く積まれています。

今回、強制執行を行うにあたりフード代や医療費のほか、強制執行にかかる費用(建物の解体処理や車両の撤去・保管など)設備(スーパーハウスの購入など)、譲渡にむけての検診費など多額の費用が必要となります。
そこで今回はみなさまのご支援・ご協力をお願いしています。
ご支援していただける方がいましたらこちらまでよろしくお願いします。

  • 郵便局振込口座:00500-1-73548
  • 口座名:新潟動物ネットワーク
  • (多頭)とご明記下さい。

また中古のスーパーハウス、現場を囲う為のフェンスなど資材のご寄付や安価での提供のご連絡もお待ちしております。

現場作業ボランティアとして
・日曜か水曜の午前中に散歩・掃除・給餌などの作業に参加できる方
・日曜と水曜以外に給餌作業に参加できる方(シフトを組んで月に数回)
・大工作業が得意な方、出きる方
・犬猫たちを一時保護できる方
を募集しています。
新しい保護現場は公には出来ませんが新潟市内です。

<問合せ先>  tatousiiku@ndn2001.com までよろしくお願いします

 

2008年4月29日 記載

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