猫を拾ってしまったら?

捨てられて、そしてあなたに出会った。
あなたと猫とが運命という糸で固く結ばれた瞬間です。
あなたの勇気で一つの命を救えるのです。勇気をもって一歩を踏み出してください。

まずはあなたの手もとで保護しよう

保護できる場合は、あなたの手もとで保護してください。
どうしても、ご自身が保護できない場合は、誰か保護してくれる人を探さなくてはなりません。
あなたの知人などに声を掛けて探してください。
また、猫がうろついていた辺りに住んでいる人の中には、その猫のことを
気にしてくれている人がいるかもしれませんし、協力者になってくれるかもしれません。
ただ、飼い主探しはあなた自身が責任を持って行なうこと、万一飼い主が現れなかった場合もあなたが責任を持って新しいもらい手を探すことが必要です。

なお、新潟動物ネットワークでは、保護施設がありませんので猫の引き取り・一時保護はできません。ご了承ください。
別項目の「新しい飼い主の探し方」をご覧いただき、まずはご自身で飼い主を探す努力をしてください。

 

―猫を拾ってしまったらどうしたら良いのでしょうか?―

子猫の場合

絶対にしてはいけないこと。それは人間の牛乳を与えることです。下痢をして酷い時には死んでしまうこともあります。

身体が汚れているから、又はノミなどがついているからといってすぐにシャンプーしたりしないで下さい。
体力が落ちている場合などとても負担になってしまいます。

一人で排尿・排便ができる猫の場合は、直ぐに獣医さんへ連れて行って蚤、ダニ、回虫などの駆除や病気の有無の診察を受けてください。
※市販薬をよくわからずに使用するのは避けてください。

猫を飼った経験がない場合は正しい飼い方のアドバイスを受けてください。

赤ちゃん猫を拾ったら、まずは暖めてください。
冷えた体や脱水状態が一番危険ですのですぐに猫ミルクをあげなければなりません。
しかし、体が冷えていると胃腸の働きが悪く、物が消化できません。このような時の子猫は水分を受け付けず、
受け付けても下痢をする可能性が大きいのです。下痢は脱水症状を起こし、命が危うくなります。
暖めながら、動物病院に行き診察を受けてください。

小さな子猫は自分で排尿・排便することが出来ません。親が舐めて刺激することで排尿・排便することができるので、親の代わりにやってあげないとなりません。ティッシュやコットンなどをぬるま湯につけ、軽く絞ったものでお尻を拭いて刺激を与えます。
便の様子には特に気をつけてください。離乳前の子猫は毎日便が出るとは限りません。
便が水溶性であったり出血が見られる場合は、獣医さんに連れて行き治療を行ってください。

自力で排尿・排便できるようになったら離乳の時期です。離乳食を少しづつ与えて切り替えていきます。

~子猫を拾ってしまった時の手順~
  • まずは状態を確認しましょう。
    ●目やに・鼻水は出ているでしょうか?
     ⇒状況にもよりますが、往々にして“猫風邪”を引いている場合が多く見られます。
      猫風邪は、すぐに完治するものからなかなか完治しないものもありますが
      根気よく治療をして完治させてあげましょう。
      完治しない(=成長しても慢性的に目やに・鼻水がでる状態)場合は、
      定期的に目薬などの治療が必要になります。
    ●抱いた時の体温はどうでしょうか?
     ⇒これも猫のおかれた状況によりますが、何日も食べていなく衰弱が
      始まっている場合は脱水症状を起こしている可能性があります。
    ●元気はありますでしょうか?
     ⇒鳴いたり動いたりできる状態であればまずは大丈夫です。
      ご飯をあげたりお水をあげて、なるべく早くに獣医で受診してください。
  • 可能な限り、拾ってしまったその足で獣医さんに受診してください。
    そこで、獣医さんから適切な処置をしてもらいましょう。
  • 子猫が生まれてから何日くらい経っているか確認してもらいましょう。
    <生後1週間(1~7日)>
    見た目の目安は・・・体重130グラム~250グラム。目が開く、耳が開く。
    へその緒が取れる。
    ※ミルクは2~3時間おきに飲ませる。その度に排泄もさせてください。
    ※ミルクは作り置きができないため、授乳のたびに量を調節しながら作ってあげてください。
     詳しい分量などはメーカーによって異なるので、
     購入した子猫用ミルクの説明書きを参照してください。

    自力で排尿・排便が出来ないので、人の手で排尿・排便をさせる必要があります。
    ウンチが柔らかめでお尻が汚れたら、洗面器にぬるま湯を用意し、優しく洗ってから水分を充分にふき取ってください。拭く時に毛を逆立てるようにすると毛の間に
    空気が入り、体温を奪われないで済みます。
    元気がない、下痢、嘔吐などのある子猫は、低体温・低体重・低血糖の心配があるので、砂糖水を飲ませて至急動物病院へ連れて行ってください。
    多少ゆるめのウンチの時は獣医さんに処方してもらう整腸剤をミルクに混ぜて飲ませてください。
    <生後2週間(8~14日)>
    見た目の目安は・・・・体重250グラム~300グラム。門歯がふくらむ。
    よちよち歩き出す。知覚能力が芽生える
    ※ミルクは3~4時間おきに飲ませる。その度に排尿・排便もさせてください。
    ※ミルクは作り置きができないため、授乳のたびに量を調節しながら作ってあげてください。
     詳しい分量などはメーカーによって異なるので、
      購入した子猫用ミルクの説明書きを参照してください。

    目が見えるようになってくるので自分で移動したり、チョロチョロしだす頃ですが、まだ体力的にも不安定な時期なので、できれば猫が出て来れないような箱やケージの中で生活させてあげてください。
    <生後3週間(15~21日目)>
    見た目の目安は・・・体重350グラム~400グラム。上下に歯が生え始めます。
    離乳準備。子猫同士で遊んだり、人に接触したがります。
    ※ミルクは1日3回与えてください。この頃になると飲む量も増えてくるかと思います。

    ~離乳食の作り方~
    子猫用缶詰や子猫用ドライフードをすり鉢などですりつぶし、ミルクでドロドロになるまでふやかして、口の中に指で少量上あごに塗るように入れてください。
    最初は初めて口にするものなので嫌がることもありますが、味に慣れてくれば自ら進んで食べてくれるようになります。離乳食も特に夏場は傷む可能性がありますので、離乳食をあげるたびに作ってあげてください。
    自力でトイレに行かれなくても、この頃からトイレをお部屋やケージの中に置いてください。ミルクを飲んだ後や離乳食を食べた後などに子猫をトイレに入れてみて、自分で猫砂をカシカシ掘りはじめる仕草が見られてくるかと思います。
    そして、排泄が済んだらトイレから出して、たっぷり愛情をかけて遊んであげてください。
    <生後4週間(22日~28日)>
    見た目の目安・・・
    体重400グラム~500グラム。だいぶ歯が生え揃ってきます。
    のどをゴロゴロ鳴らしたり、感情を表すようになります。
    この頃から、兄弟猫とのじゃれ合いを通じて社会性を身につけていきます。
    また、飼い主を探すためには十分に人馴れをさせるために積極的に遊び、人間との関係を良好に築いていきましょう。
      
    成長が早ければ、離乳食から固形のドライフードにも興味がわき、食べ始めるようになります。
    ドライフードを食べるようになれば子育てもひと段落です。
    あとは、体調の変化を見逃さず、便が緩ければお腹に寄生虫(条虫・回虫)がいる可能性もありますので、獣医さんで検便をしてもらい必要であれば駆虫薬を飲ませてください。
    同様に、体にノミがいることもあります。ノミの駆除については、可能な限り保護して獣医さんに行った際に適切に駆除(スプレータイプのノミ駆除薬)してもらいましょう。
    <生後5週間以後(29日以後~)>
    見た目の目安・・・体重500グラム~800グラム。元気いっぱい動き回ります。
    成長とともに体重も増えていき、可愛い子猫真っ盛りの時期です。
      
    可愛い盛りの時期なので、「早く新しい飼い主を捜してもらってもらいたい」と思われるかもしれませんが、先にも述べたように猫にも社会性というものがありこの社会性が身についていないと、猫は軽くじゃれているだけのつもりでも引っかいたり噛んだりした時の加減が分からず、引っかかれたり噛まれたりします。
    「貰い手が見つからなかったら困る!」と焦る気持ちは分かりますがせっかく手塩にかけて育児をしてきた可愛い子猫。
    貰われていった先でも家族みんなに可愛がられる愛らしい猫になってくれるように生後2ヶ月までは兄弟一緒に寝食をともにして遊んだりケンカしたりしながら社会性を身につけてあげましょう。

大人の猫の場合

大人の猫を保護した場合も子猫を保護した時と同様に可能な限り、その足で獣医さんに健康状態や年齢、飼い猫だったのかのら猫だったのか診断をしてもらいましょう。
首輪をしていれば飼い猫との判断もつきますが、首輪がないと判断が難しいです。
仮に、元々飼い猫だった可能性がある場合は、最寄の警察や保健所に届出をし飼い主からの迷子届けが出ていないかどうか確認を取ってください。
その届け出が、迷子猫を探している飼い主さんにとっては、朗報となる場合があります。
それと、保護した近辺にチラシやポスターを貼って、飼い主からの連絡を待ちましょう。
飼い主の多くは、犬猫がいなくなっても警察・保健所に連絡をするということを知らなかったりする人も多いのです。
残念ながら該当する届けやチラシの効果が見られない場合はご自身で一時保護をしながら新しい飼い主を探すことになります。

【獣医さんでのチェック項目
・性別や体重、脱水症状などがないかどうか。
・ノミ・耳ダニ・検便の基本健康診断⇒必要があれば投薬・治療となります。
・不妊去勢手術がされているかどうか。
 ⇒オスの場合は見た目ですぐ判断できますが、メスの場合は腹部の毛があったり
  手術跡が判別できなかったりで判断が難しいです。
  しかし、避妊していない猫であればいずれ発情期がやってきますので
  発情期が始まってしまったら、獣医さんに相談しましょう。
  また、手術をされた形跡が見つからなかったときは、猫の様子が落ち着いたときに
  手術をしてあげましょう。

先住猫・先住犬を飼っている方

すでに、ご自宅で先住猫・先住犬を飼われている方はご注意をお願いします。
保護したばかりの猫は猫風邪を引いていたり、感染症にかかっている場合があります。
なるべく保護した猫をケージもしくは隔離できる部屋があれば隔離して、先住猫・犬との接触を避けてください。
猫風邪はワクチンを打っていれば予防できるものではありますが、100%予防できるものではありません。風邪のウイルスの種類や型によってはワクチン接種をしていてもうつる可能性があります。

また、感染症(エイズや白血病)は感染してから1ヶ月~2ヶ月間は「潜伏期間」があり検査しても『陰性』となる場合があるので、保護当初に検査をして『陰性』と結果が出ても油断しないで下さい。数ヵ月後に再検査したら『陽性』だったということも稀にあります。
 ⇒感染症についての詳細は別項目「猫の病気について」をご覧下さい。
例えば、成猫を保護した際は、先住猫との相性もありますが相性が悪い時などはケンカになってしまうこともあります。そのときの噛み傷だったり引っかき傷から感染してしまうこともありますので注意が必要です。

このページのトップへ