のら猫にご飯をあげてもいいの?
地域ねこの取り組み事例 レポート2

地域ねこの取り組み事例 レポート1


町内全体で取り組み成果をあげられた
    ~地域の理解と協力あってこそ~
   ―新潟県動物愛護協会の会報より―

私たちの町内は昔からのら猫が多く、ごみステーションを荒らすので皆さん困っていた。2004年、あることがきっかけで町内有志が集まり、町内から不用品を募ってバザーを開催、資金を作り、2年間でのら猫30匹の不妊去勢手術をすることができた。今までのところ、それ以降、子猫は生まれていないし、春先の大きな鳴き声も少なくなったとの声が寄せられている。

この活動のきっかけというのは、2004年の春に近所の奥さんから「私が餌をやっているのら猫が近所の車庫に子猫を生んだんだけど、そこのお宅が連休明けにその子たちを保健所に連れていくんだって」と切ない顔で打ち明けられたことだった。
その猫はその前の年もクーラーの室外機の下で子供を産んでいたとのこと。ともかく、せっかくこの世に生まれた命、貰い手を探そうと奥さんを励まし、新潟動物ネットワークにお願いしたり、ポスターを貼ったり、大変な思いをしてなんとか5匹みんな里親が見つかった。親猫には不妊手術をした。

このままではのら猫は増えるばかり。我が家でもここ2、3年、犬の散歩の途中で見つけたダンボール箱に入っていた子猫など3匹を次々と保護、里親を探すつもりが可愛くなって手放せなくなってしまっている。もうこれ以上飼うのは無理。毎年、毎年、こんな切ない思いをしたくない。誰か横浜磯子区のようなのら猫の手術をする活動をやってくれたら一生懸命手伝うのにと思った。

しかし、待っていても事は進まない。3日3晩考えて出した結論は、どこまでやれるか分からないけど、自分がまず立ち上がって、町内の皆さんに働きかけてみよう、今やらないときっと後悔する、やるならすぐ取り掛からないと、というものだった。
子供の頃から人見知りの引っ込み思案の私が、よく思い切ったものだと今でも思う。
回覧板で協力者を募ったら10人集まった。みんな猫好きの人ばかり、のら猫に餌をやっていて子猫が生まれて困っている人も何人かいた。人を怖がる猫を捕まえられなくて手術できない人もいた。猫の好き嫌いに関係なくみんなの問題だと思ったから、猫嫌いだが活動を理解してくださった方にも声をかけ、参加していただいた。

批判もあった。
「こんな活動したって、焼け石に水。のら猫に餌をやっている人が手術すればいいんだ」
「手術したって庭を荒らされることに変わりない」
もっともな意見だと思う。猫に餌をやるということは飼っていることと同じなのだから、手術をして増えないようにするのは餌をやる人の責任だと思う。しかし、そこまでの意識がある人はまだ少ないようだ。個人個人に任せておいて、一部の人だけが手術をしても猫は減らない。手術費用が高いのもネックだ。行政に是非支援していただきたい。

例え町内全部の猫を手術しても猫が減り始めるのは3、4年先。でも確実に減ると思うので長い目で見てもらいたいと思う。
今、私が考えるこれからの社会での理想的な猫の飼い方は、いわゆる「完全室内飼い」である。そうなれば近所に迷惑もかけないし、外で病気が移ったり、交通事故に遭ったりする心配もない。外で寒い思いをする猫がいない世の中に早くならないかなあと思う。

2006年1月

2004年7月の初めてのバザーの写真。

今年(2008年)の5月で5回目になり回を重ねるごとに協力してくださる方が増えて、喜んでいます。

当日の利益に寄付や手作りのポストカードの売り上げを加えると、13万8465円集まりました。
きちんと準備された商品の仕分けと会場作り、スタッフの配置を配置し、猫のためだけでなく、町内の連携を強める意味でも、大変良い機会になったようです。
災害時など、いざというときの連絡体制が整う、と参加されたご近所の方々の評判も上々でした。
のら猫の問題に地域で取り組む、素晴らしい活動がここからスタートしました。

 手術済みの子 こちらも手術済みの子
まだ生後2~3ヶ月の子猫が家屋の軒下に隠れ、寒さや暑さをしのがなくてはならない。嫌いな人に見つかって、傷つけられたり殺されてしまう運命をたどることも多い。

 

 

飢えた猫に手を差し伸べるのは、人として自然な行為です。けれども気まぐれにエサだけあげて満足しているのは罪です。数が増えないために不妊去勢手術、フンや鳴き声によって迷惑をするご近所への気配りなど、「飼い主のいない猫」を守る決意と責任を持って欲しいのです。

 

 

残念ながらのら猫を良く思わない人、尊い命だと気づかない人もいます。そして外にいるのら猫たちには暴力から守ってくれる人はいません。
↑額をケガした猫。完治するまで2ヶ月かかりました

 

 

↑人間によって傷つけられたのでしょうか?ポッカリと穴が開いてしまっています。のら猫は怪我をしても獣医さんに診てもらうことはできません。誰かが気づいて連れて行ってあげなければ傷は治りません。

地域ねこの取り組み事例 レポート1


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