2006年8月〜2007年3月
猫屋敷レスキュー
経緯
一人暮しの女性が入院し、飼っている35匹の猫が室内に残された、どうしたらよいか、という相談がありました。相談者さんから電話があり、そのお宅の猫たちを見てきた様子を聞きました。途中、嗚咽や涙をこらえながら、猫たちの悲惨な状況を話してくれました。
-以下、説明です-
(入院に至るまでの状況)
入院した女性(高齢)は洋裁で生計をたてていたが、経済的に苦しく、生活保護を受けるという話もあったが、民生委員から生活保護を受けるなら猫の数を1~2匹に減らすように言われ、それはできないと生活保護を断った。
2週間ほど前、その女性が栄養失調で倒れて入院し、猫だけが家の中に置き去りにされた。女性から頼まれた近所のおばさん2人がエサだけあげに行っている。入院する前も猫のエサを近所の人からもらったりしていた。
お宅の様子
相談をしてきたのは、ペットシッターの会社に勤める女性です。
現場の近くに住む方から相談され、乗りかかった船と猫たちの様子を見に行かれました。多数の猫を飼っていることは有名らしく、近づくと多頭現場特有の臭いがしたそうです。
エサをあげに行っていた近所の人は、エサを置いてくるだけ、掃除は全くしていなかったため、室内は糞尿で汚れ、10分もいると洋服に臭いが染み付いて取れないほど。35匹と聞いていた猫は、10匹に減っていました。このお宅の様子を快く思わない近所の人が、鍵のかからない家に侵入して、エサに毒を盛って殺したそうです。死体はエサやりさんが片付けたらしい。
いつ置かれたかわからないエサには、ウジが集っていました。水は緑色にドロドロになっていました。長屋になっている部屋の壁1面にも、ウジがびっしり這っていました。猫たちは全て栄養状態、精神状態が悪く、ケンカをするからとケージに隔離されていた3匹は、すでに顔の形が変わっているほどで、後は死を待つばかりの状態。その中で、糞尿の始末をし、エサのウジを払い、水を取り替え、猫の目やにを拭いてあげた相談者さん。涙で前がよく見えないほど打ちのめされたそうです。
立ち会ったエサやりさんは、これ幸いとばかり、春生まれの子猫4匹を引き取ってくれと言ったそうですが、繁殖制限もワクチンもされていない猫たちの間で生まれた子猫、すでに衰弱も激しく、とても里子に出せる状態ではなかったため、心を鬼にして置いてきたそうです。
そのお宅の猫や汚れ方が、一部の疎ましく思う人たちの標的になって可能性があります。 いつ火を点けられたり、虐殺が起きてもおかしくない状況を、とても心配しています。この連日の暑さの中、締め切った汚れた室内にいる猫たちの健康状態は、悪化していくばかりです。(どうしたらいいのでしょうか?)ここに閉じ込められているのは、何の罪・・・・・・
その後の対応
現場の凄まじい状況で餌やりに行くのが困難を極め、相談者も「もう止めたい」という中、何とか助けたいとNDNスタッフ数名で大掃除を決行。完全ではありませんが環境を改善することが出来ました。
しかし、ご近所には反対の人も多く、一時は1ヶ月以内に処分することが決まり、相談者も諦めかけましたが、有志スタッフが毎日餌、水、トイレ掃除などをやるということで今、周りも少し収まってくれました。
何とか捕獲して血液検査、ワクチン、虫の駆除、手術、怪我をした子や病気の子の治療などをし、新しい飼い主さんを探していきたいと思っていますが、現在一時保護が不足しており、なかなか捕獲・治療が進まない現状です。
解決に向けて
その後も有志で猫たちの世話を続け、イベントや会報での呼びかけ、路上でのチラシ配り、フリマなどで多数の方から金銭面でも物資の面でも善意の寄付を頂きました。当初10匹に減っていたと思われる猫たちは全部で17匹になっており、全頭の不妊手術や検査なども行うことができ、新しい飼い主さんが見つかった子もいます。しかし、入院した女性の退院の目処はつかず、かといって猫たちをいつまでも家主のいない家に置いておくこともできませんでした。しかし、スタッフの一人が新しく動物関連の仕事を始め、そこで猫たちを引き取ってゆっくりと時間をかけて飼い主を探すことになりました。これにより、猫たち12匹はNDNの活動からから個人活動に移行することになり、これを目処に「猫屋敷レスキュー」は終了しました。
猫屋敷レスキュー 会計収支 | |||
---|---|---|---|
収 入 | 支 出 | ||
寄付 | 773,049円 | 医療費 | 239,070円 |
不妊去勢手術 (NDN助成金) | 65,000円 | 不妊去勢手術費 | 88,725円 |
フリマ売上 | 36,340円 | 備品費 | 39,738円 |
消耗品費 | 84,790円 | ||
水道光熱費 | 6,093円 | ||
フリマ出店料 | 1,000円 | ||
雑費 | 39,231円 | ||
繰越金 | 375,742円 | ||
計 | 874,389円 | 計 | 874,389円 |
※なお、繰越金につきましては、引き続き猫を保護するスタッフへ移譲しました。
- 猫のページ
- 譲渡会スケジュール
- 新しい飼い主希望の皆様へ
(譲渡条件) - 譲渡までの流れ
- 里親登録
- 幸せニャンコのページ
- のら猫不妊・去勢手術助成金制度のご案内
- 猫の手募金
- 会計収支報告
- 野良猫を保護していたら
子猫を出産 - 自宅の庭に親子猫6匹(母猫、
子猫5匹)が住み着いた - 極度の栄養失調と風邪により、
失明を免れなかった子猫 - 虐待された子猫
- 首輪が食い込んだ猫がいる。
何とかして欲しい - 感染力の高い病気
- 住宅街の野良猫の不妊去勢手術
- 先天性心臓病
- 子猫ラッシュ
- 家の近くで、メス猫が出産
- 風邪引きの仔猫5匹を
保護している方からの相談 - 交通事故に遭った子猫
- 片足を失った猫
- 餌やりさんの責任と地域猫の
難しさ - 住宅街の野良猫たち
- 交通事故後の横隔膜破裂猫
- 虐待で後脚を切断した猫
- 猫屋敷レスキュー
- 猫多頭崩壊レスキュー
- 公園で暮らす猫たち
平成26年10月〜 - 取り残された猫達
平成26年10月〜 - 公園猫
平成27年3月〜 - 街中で暮らす猫
- 尻尾がズル剥けになった猫
- 多頭崩壊53匹
- 農村部での多頭崩壊
平成28年3月〜 - 経済的に厳しい方でも出来ることから
平成28年6月〜 - 新潟市西区 猫多頭飼育崩壊
平成28年6月〜 - 市営住宅で暮らす猫
平成28年7月〜12月 - 事故猫のキジ君
平成28年7月 - 餌やりで増えた猫と空き家に暮らす猫
平成28年7月〜 - 餌やり不明の住宅街ののら猫
平成28年7月〜 - 古い街並みで暮らす猫たち
平成29年2月〜 - コンビニ裏の猫たち
平成29年3月〜 - 生活保護受給者さんの飼い猫
平成28年6月〜 - 亀田郷の猫
平成29年4月〜 - 街中で暮らす猫パート2
継続案件 - 取り残した猫達の出産
平成29年6月〜 - お寺に住み着いた猫
平成29年6月〜 - 咬傷事故仔猫
平成29年6月〜 - 1匹への餌やりが25匹に
平成29年7月〜 - 行政経由ののら猫相談
平成29年7月〜 - 迷子捜索掲示板
- 猫班の活動
- 猫の預かりボランティア
- 猫との生活に向けて