
事例26
多頭崩壊53匹
経緯
『猫の多頭飼育問題は、似たような背景が多いように感じます。今回も「近くに住む70代老夫婦の家が猫が増えて大変な事になっている。猫も酷い状態で可哀想なのでどうしたら良いか?」というご近所さんからの相談でした。
問題家人は、2年ほど前に捨てられ野良になったアメショーMIX猫のオス、メスを可哀相に思ってに餌をやり始めたのですが生まれた子猫の処遇に困り、生まれるたびに保健所に持ち込みをし、そして、保健所から「何度も引き取らない」と断られ、その後、手術もせずに放置状態。 当然のことながら・・・猫はすぐに10匹以上に増えてしまい、近所の人が保健所に「猫に迷惑している」と通報。今度は保健所から、「室内飼いをして手術をするように。」という指導が入り、その言葉に従い、猫を家の中に入れ、本人たちも収入が限られている中、手術は費用の安いオス猫を数匹したそうですがオスメス混在の家の中では焼け石に水状態で猫が増え続け・・・2年ほどで家の中に猫が50匹以上になってしまいました。
畳もく家具も家電も猫のいたずらや糞尿で汚れ、壊れ、まともな生活状態を送れなくなっていました。 (保健所からは、指導以降の確認やアドバイスは無し)。猫50匹以上にトイレが3個しかなく糞も掃除もされおらず家の中も家人も猫の糞尿の臭いがしみついて玄関がトイレとなって酷い状態でした。生まれた子猫の中には育たなくて死んだ子。 その死骸を食べて飢えをしのぐ猫もいて餌も十分ではありませんでした。
対応
スタッフから現状を保健所に連絡を入れて一緒に再訪問しこれ以上増えないように手術の説得をしました。過去に保健所に言われた事で「1匹も50匹も同じだ!」と感情的に意固地になっている部分もありましたが現実問題として家の中に50匹以上の猫飼育は「飼育」とも呼べない状況であり、今後も増える事は確実なので職員さんも優しく諭してくれて、やっと家人も「お願いしたい」と心を開いてくれました。一目見ても数が数なので、確実に産ませない事を目的にメスの手術費用を「猫の手募金」に申請いたしました。
解決に向けて
地元の獣医さんにも事情を相談して費用面や休診日返上で手術の協力をして下さいました。問題家人にも当然ですが可能な限りの費用の支払い。猫の病院搬送をしてもらう事を約束に「猫の手事例26」としてスタートすることにしました。NDNのブログでもここの猫たちへのフードや毛布など寄付要請の際にはたくさんの方からの善意の募金、フード、毛布などが届けられ大変に感謝しています。本当にありがとうございました。
11月上旬現在でメス21匹。警戒心の強いメスが2匹残っています。オスも10匹の手術が済みましたが未だ道半ばです。事の顛末を考えると増えないための処置のターニングポイントはいくつもありました。 ・元の猫の飼い主が手術をして飼っていれば・・・。 飼えなくなったら飼ってくれる人をさがしてくれれば・・・。(猫は人慣れしており観光地スポットに捨てられた元飼い猫と思います。)、 ・餌やり家人も餌をあげたと同時に手術する事も考えるべきでした。 ・指導をした保健所も「何度も持ち込もさせない」、「室内飼い」、「手術」と間違ったことは言っていませんが対応課でもあるので方法や順序などもっと、実際的なフォローもするべきだと思いました。 ・地域でも餌をやった人の責任とするだけでなく、自分たちの住み良い暮らしを「守る」ために相談協力し合える機会もつくってくれたなら・・・。
これらは、多頭問題に共通する事ですからどこかの部分で一歩先を考えて行動してくれていたなら その時点で猫の増加を止めることが可能だったのです。今回は近所の方からの相談でしたが相談者さんも手術費用の協力、猫の病院搬送など積極的に関わってくださいました。今後も現場のご近所さんというお付き合いをしながら、サポートして行って下さいます。 多くの協力のお陰で年内での全頭の不妊去勢手術を目指しています。手術によって増やさない事。 そして、今度は減らすことを目指して、来年には、里子登録可能な猫たちの新しい飼い主探しが出来ればと思っています。皆様の猫の手募金のご支援により助けていただきました。ありがとうございました。 今後とも、ご支援をお願いいたします。
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