事例19
交通事故後の横隔膜破裂猫
経緯
2年前に【事例7】として猫の手募金の支援を受けて新潟市西区のとある住宅街にいる野良猫の不妊去勢手術と保護した子猫たちの入院治療費等でお世話になりました。今回も、2年前と同じ現場での出来事で、手術費用や入院治療費など高額になり再度猫の手募金の支援を受けさせていただきました。
できる範囲でこの地域の不妊去勢手術を進めていましたが、今年の7月に駐車場に子猫の姿を見かけたのをきっかけに再度本格的に不妊去勢手術を始めました。手術したかどうかわかるように耳先を少しカットして現場にリリースしてきましたが実際保護してみると耳カットがされていない子が多かったのが分かりました。少しずつ保護→手術→現場にリリースを繰り返していましたが、その後見かけていた子猫を保護することができ同時に保護した成猫(当初は母猫かと思いましたが違いました)がとても人馴れしていたため里親さんを探してあげようと自宅に保護しました。
避妊手術を経て自宅へ戻ってきたところ、なんとなく呼吸が荒く心拍数も早く感じられましたが、環境に慣れなくて緊張しているのだろうと思っていました。後日、動物病院で診てもらったところ、呼吸の荒さと心拍数について指摘があり、念のためレントゲンを撮ったところ、横隔膜が破れて肝臓や胃腸の一部が横隔膜の破れたところから胸部に入り込んでおり、そのため肺や心臓が圧迫されて呼吸や心拍数が早くなっているのだと分かりました。おそらく交通事故に遭ったときの衝撃により横隔膜が破れてしまったと思われます。
現状
日常生活に問題はないものの心配が尽きなかったため手術をお願いし、胃腸など本来あるべき場所に整復してもらうことができました。予後も問題なく過ごしていましたが今度はお腹の下腹部にポッコリとした膨らみがずっと残っていて、腸の方も穴が開いていて中から腸が出てきているのかもしれないということで、避妊手術を含めて3度目の開腹手術をしてもらいましたが、お腹の腹筋の一部が断裂していたり、整復しようにも下手にいじって却って悪化させても悪い・・・と、そのまま閉腹してもらいました。3度も開腹した猫さん、名前はアマモちゃん。排泄も問題なく子猫に交じって追いかけっこするわ、じゃれるわ元気に家中を走り回っています。ちょっと高いところは苦手ですが懐っこくて甘えん坊の美人猫さんです。
解決に向けて
アマモちゃんとは別に、手術のため動物病院に預けていたらその日の夜に3匹の子猫を出産した母猫もいます。耳から首にかけて赤い発疹がポツポツ見られており、皮膚検査をしたところ、皮膚糸状菌といういわゆる水虫のような皮膚病にかかっていました。これは猫ならず人にも移ってしまうケアの難しいもので他にも保護猫と飼い猫がいる自宅では隔離ができず、猫班内で検討してもらったところ入院しながらの治療を認めていただき、先日、完治することができました。保護してから2か月かかりましたがその間、3匹の子猫はすくすくと成長し、1匹は動物病院経由で飼い主さんが見つかり、あとの2匹はちょうど可愛いさかりの男の子たち(ゆーじくん&こーじくん)で絶賛飼い主さん募集中です。できれば2匹一緒にもらっていただけると嬉しいです。詳しくは里親募集ページをご覧いただければと思います。
猫の手募金の支援を得て手術や治療など金銭的な部分に加え気持的にも支えられこうして幸せを掴んでもらうスタート地点まで辿り着くことができました。ありがとうございました。
左:こーじくん 右:ゆーじくん |
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