事例2
自宅の庭に親子猫6匹(母猫、子猫5匹)が住み着いた
経緯
6月、スタッフの携帯電話に「○○さんから電話番号を聞いて・・・」ということで猫相談が直接ありました。
相談者さんの自宅の庭に親子猫6匹(母猫、子猫5匹)が住み着いているのでそちらで保護してもらえないかというものでした。餌をあげているわけでもなく、猫は苦手。このまま居つかれると困る。子猫は母猫の後ろをついて歩いている程度。いずれにしても、親子猫を保護しなければならなかったので、翌日改めて自宅へ伺うことにしました。
対応と保護
翌日、スタッフ2人でお宅に伺い様子を見ると、陽のあたる庭に親子が寄り添って日向ぼっこをしていました。が、近づくと母猫が威嚇し(当たり前ですね)てきましたが子猫はまだうとうとしていたため、2匹を素手で3匹目をキャリーに入れたら、その子が暴れてキャリーから飛び出し、まだ保護していない2匹と一緒に寝ぐらにしている物置の下にもぐってしまいました。素手での保護は難しくなったので、物置の所に捕獲器を2台仕掛け、しばらくして母猫が保護できました。
しかし、母猫を保護してしまったので、残る子猫3匹は何が何でも保護しないとということで、再度捕獲器をセットしその日の夜、1つの捕獲器に2匹、もう1つに1匹が入っており無事に親子共々保護することができました。
しかし、相談者さんは子猫を保護できないということなので子猫を保護する代わりに、会費・登録費および健康診断費、母猫の不妊手術(ウイルス検査含み)、保護費の負担をお願いしました。
子猫の状態
母猫は可哀想でしたが、その日のうちに手術を終えました。お迎えは月曜(今日)でした。ウイルス検査の結果はエイズ白血病ともに陰性でしたので、子猫も感染はないと思われます。
問題は5匹の子猫たちです。健診後一旦はスタッフが自宅へ連れ帰りましたが、生後1ヶ月ほど(体重300g台)で、猫風邪で目やにで目が塞がっていたり結膜が腫れむりやり開いての洗浄・点眼、その他くしゃみをしていたり、鼻が詰まっていたりとひどい状態でした。インターフェロン注射をしてもらいました。
自力で食べることができないことに加え、こまめにまぶたが癒着しないよう点眼をする必要等もあり、日中勤務の身では自宅での保護が困難なことから相談者さんにも了承を得た上で、子猫5匹を1週間を目処に入院させることにしました。
翌日、母猫のお迎え(そのまま保護した庭にリリースしました)を兼ねて、相談者さんとスタッフが動物病院へ行き、1週間の入院にかかる費用がどれくらいなのか(高い場合は多少減額をお願いするつもりで)を院長先生に伺ったところ、入院費は1日1,000円、1日おきに3回のインターフェロン注射(5匹分×3回=15回分)を含めて21,000円という破格の提案をしていただけました。
・・・・・が、子猫の状態から推測しても到底1週間で完治できるものではなく「この先一体いくらかかるのか・・・・?」という現実的な話になってくると相談者さんはそこまで金銭的な負担がかかるということは思っていなく今日の話の中では、「このままなら保健所に」ということも考えているとのことでした。
実際、たまたま自宅の庭に親子猫が住みついてしまった、これが仮に隣の家だったら全く関知することもなく金銭的な負担もなかったであろうところに降って湧いたように母猫の手術費25,000円、健診費6,000円、入院費21,000円会費・登録費2,000円。たった3日間で入院費を除いても33,000円もの負担があるのですから、これ以上の負担は・・・と躊躇するのも分からないではありません。
ただ、実際に保護から治療に関してまで関わってしまうと、このまま保健所にという選択肢はなく、妥協案(?)としての提案をしました。
提案
とりあえず、1週間の入院にかかる費用については相談者さんに負担をお願いしたい。また、当面の保護費(1日200円×3か月分=18,000円)の負担をお願いしたい。その後の治療費に関してはカンパを募ったりフリマ等で捻出する方法を考えてみる等。
解決に向けて
相談者さんより連絡がありこちらから提案した条件について結果が出ました。結果、1週間の入院にかかる費用21,000円と当面の保護費(1日200円×3か月分=18,000円)を相談者さんに負担していただき、その後の治療費については個人でなんとか賄っていくということで話がつきました。
相談者さんにとってもこれが最上の譲歩(?)であるでしょうし、これ以上の負担は結果的に間違った選択肢を選択してしまうことにもなるところを、そうではなくこの子達を生かす選択をしてくれただけでもありがたいことだと思います。
【保護翌日の様子】
母猫 | 5匹の子猫たち |
【保護から4日目の子猫たち】
少し動くことができる元気が出てきた感じ。一番右の写真の子は5匹の中でも一番小さく成長が遅いため、栄養補給のため点滴を流してもらいました。しかし、保護してから6日目の朝に虹の橋を渡りました。
【退院できそうなくらい元気になった子猫たち】
子猫たちは目もきれいに治ってきていて、遊びたくて仕方ないくらいはしゃいで元気になりました。しばらくは退院してからも点眼・投薬は続きますが、体重も増え自分でもご飯を食べられるようになりました。
一時はどうなることかと心配でたまりませんでしたが、4匹がこうして元気になってくれたこと、ここに5匹目のチビちゃんがいないことだけが残念でなりませんが、チビちゃんの分も元気に大きくなって、終生可愛がってくれる飼い主さんのもとに送り届けられるようがんばります。
【動画】 こんなに元気になりました♪
【新しい家族ができました】
皆さまからの善意のおかげですくすくと成長し、心配していた目の状態もわからないほど回復しました。
4匹の子猫すべてに新しい家族ができました。ご支援くださりありがとうございました。
●キジトラ模様の男の子と女の子は2匹一緒に迎えられ、うみちゃんとそらちゃんという名前になり可愛がってもらっています。
●黒猫の男の子はダリくんという名前で、一日違いでお家にきたマハロちゃんと仲良く暮らしています。
●黒猫の女の子は、きなこちゃんという名前で譲渡会で見初められて他の子2匹と一緒に暮らしています。
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