事例5
首輪が食い込んだ猫がいる。何とかして欲しい。
経緯
12月3日、会の携帯受付電話報告に野良猫相談があり、その日は「首輪が食い込んだ猫がいる。何とかして欲しい。」というものでした。
対応1
その猫の餌やりもしてるという相談者さんに状況を確認するために連絡を入れ、お話を聞きました。
餌やりは1年ほど前からしているそうですが、その前から野良猫だったようです。
子猫の時に首輪をしたまま捨てられたのか?迷い猫になったのか?極端に首の部分が細くなっており、首輪が首にくい込み、その部分が腐って強烈な異臭を放ち、首周りの毛は膿みで固まっている状態。首輪の端っこも膿と毛と汚れでゴワゴワの棒状になっている。猫は、夕方に姿を現わして餌を食べるが首が首輪で締まっているために缶詰めのフードを少しづつ食べるのがやっととの事でした。
捕獲機貸し出し病院もあるので、ご自身で病院に問い合わせをして猫を連れて行けばすぐに処置して解決できそうな内容でしたので、動物病院に費用などの相談をして、出来れば個人で解決して頂くようにお願いしました。
対応2
その後、処置について確認の連絡を入れた際に相談者さんは、高齢の母親と経済的にもかなり限られている生活をしているので、「個人で猫の処置は行う事は出来ない」と改めて相談されました。
NDNでも相談全てを解決する事は不可能ですが出来る限りの事として「猫の手募金」の対象猫として会に報告させて貰いました。相談者さんにも最低限であれ、猫に対する責任もお持ちいただく事が出来なければ、こちらも協力出来ない事をお話しました。
元々、動物好きで、この不憫な野良猫にも餌を与えて下さった方ですからご自分の出来る事として助成金を利用いして去勢手術を行う事、処置後の面倒を看て下さる事をお約束いただきました。
保護と処置手術
近隣のスタッフ数名が捕獲後の搬送など時間を調整したり、受け入れ病院の依頼をしたりと準備をしました。
捕獲機を猫が現れる所に設置して待つ事・・・数日、12月19日に「捕獲出来ました」との連絡を受けてスタッフが病院まで搬送しました。
写真の赤い部分は「肉」。白い部分は「膿」。黒い紐っぽいのは「首輪」です。
そして、処置をするため麻酔をかけ手術をすることになり、ようやく長年苦しんだ首に食い込んだ首輪を外すことが出来ました。毛を剃り壊死した部分を切り取り、首輪の形そのままの真っ赤な肉肌を上下できれいに縫い合わせ、あとは傷が治るだけとなりました。同時に去勢手術も行いピアス装着もして頂きました。
一番左の写真、肩幅に対しての首周りがいかに細くなっているか、
いかに首輪が首に食い込んでいるのかが分かるかと思います。
首輪も、金具部分が錆びてしまっているのもわかります。
非常に痛々しい姿ですが、壊死した部分を切除しないと傷口がきれいにくっつかないため
このような処置をするのが一般的です。
術後
病院側の配慮により2週間の入院後、 1月4日に退院しました。
「最初は『何すんだよぉ』って思ったけどさ、 でもまだちょっぴり恐いから威嚇なんかもしちゃうけど、 |
本人(本猫)?は術後の経過も良く、仮の宿(スタッフ宅)で野良猫の迫力そのままに元気にしています。警戒しながらもこちらには興味津々でキャリーから出て来てジーッと見つめています。食欲も旺盛でドライフードをモリモリと食べています。トイレの使い方もきれいで無駄に砂を外に飛ばす事なく良い子です。
手術のために首周りの毛が剃られていますが、その首周りに自力で首輪を外そうとしたためか爪で引っ掻いた痕が無数に付いています。野良猫の生活として、この子は飢えや暑さ寒さ以外にも、「首が締まる」という苦しみが常にあったのだと思うと、「シャー」と威嚇してくる姿すらも可哀想でなりませんでした。
解決に向けて
後日、猫を預かっているスタッフが相談者さんのお宅に伺い、術後の猫の様子をお伝えし、大変に喜んでいただけました。
今後、現場にリリースする段取りについても相談し、3月に入って猫ハウスも持参して相談者さん宅側に戻す予定です。相談者さんからは、去勢手術代として、1万円をお預かりました。入会し、助成金も利用するので、差額の4千円は「猫の手募金」に入れさせて頂きました。
相談者さんも事情もある中、猫のために出来る事の精一杯をして下さったと思います。
個人では解決しにくい問題も、「猫の手募金」という善意のお金によって救われている猫がいるという確実な成果に、ご支援下さっている皆様に改めて感謝したいと思います。
また、暖かな家の中で可愛がられ首輪も付けてもらった、この子はどうしてこうなってしまったのか?飼い主さんには、完全室内飼い、迷子札の装着のお願いをしたいと思います。そして、居なくなったら諦めずに探してあげて欲しいと思いました。
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