事例3
極度の栄養失調と風邪により、
失明を免れなかった子猫
Nさんは、次々と目の前に現れる捨て猫、のら猫たちに、悩みながらも、一人で保護や不妊去勢手術などをがんばっていました。ご家族の反対で自宅保護ができなかったため、保護した猫たちは、協力者さんや動物病院で預かってもらいながら里子登録をしていましたが、その中で、極度の栄養失調と風邪により、失明を免れなかった子猫がいました。Nさんの精神的、経済的な負担も相当なものと思われましたので、この子猫に対して、猫の手募金から支援することにいたしました。
Nさんの保護猫たちの経緯
(7月上旬)
空き地に住みついている野良猫が生んだ子猫2匹を保護し里子登録。
いつでも里親募集中や譲渡会で里親さんに譲渡。
(7月中旬)
ノミも寄らない瀕死の低体温の子猫を保護。動物病院に入院(1カ月)、流動食と点滴で一命を取り留めたが、感染症の恐れのある両眼は手術により摘出、失明。里親募集。
(9月上旬)
空き地のメス猫1匹とオス猫1匹の不妊去勢手術を行い、リリース、お世話に通う。
(9月中旬)
餌やり現場で、新たに子猫5匹を発見。悩んだ末に捕獲して協力者さん宅で一時保護、里親募集。
(11月下旬)
保護して里子登録した猫たちは、すべて、新しい飼い主さんに譲渡される。
猫の手募金からの支給
眼球を取り出す手術費及びその1か月間の入院費として、1万円を支援金としてお渡ししました。
里子担当者より
Nさんは、この夏の間に合計3回、8匹の子猫を里子登録しましたが、「自分の人生の中でも初めての貴重な経験をした」と、感極まったように涙を浮かべていました。
みんな良い里親さんにもらってもらったことをとても喜んでいらっしゃり、「一時保護をしてくれた人、譲渡に立ち合ってくれた人、譲渡会でお話をしたみなさん、どの方もみんな良い方たちばかりで感激でした」、とおっしゃっていました。
最初は「動物愛護団体だから保護してくれるだろう」と思って連絡してきたところから、みなさんに助けられ励まされ、あきらめることなく次々とステップを上がっていったことを支援金という形で応援できたのは、良いことだったと思います。「これからも自分にできることはやっていきたい」と言ってくださいました。
猫の不妊去勢手術の助成金制度と共に、猫の手募金も、相互扶助の精神で、援助を受けた人は、自分に余裕ができたときには次の人のために寄付するような気持ちをもってお付き合いしていただいて継続していけたらいいな、と思いました。
【保護当初の様子】
<3・4枚目>目が乾くのを防ぐために眼帯をされた写真ですが、自分で包帯を外すため、臨時にまぶたを縫合しているそうです。
<6枚目>奇跡的な回復力で自力でモリモリとご飯を食べるようになったということで、エリザベスカラーをものともせずに、ご飯にかぶりついています。
【退院してからの様子】
あんなにガリガリで生後2カ月を過ぎても700グラムしかなかった体重でしたが、
こんなにふっくらしてきました。
その後、保護者さんが見つけた方に無事譲渡になり、可愛がってもらっています。
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