事例4
虐待された子猫
経緯
9月、虐待された子猫を見たということで相談がありました。
子猫5匹に餌やりをしている光景に出会い、その中の1匹の手が捻じ曲がっていて、まだ血もついていた。怪我ではなく、虐待だと思われるとの情報でした。
対応と保護
虐待で子猫の手が捻じ曲がっていると聞き、緊急性もあると判断したので現場へいきました。そこで手の悪い猫を発見することができました。
問題の猫は、右手の肘関節から完全に「く」の字に曲がり肘部分を、足の代わりとしている為、毛も生えてなく、地肌が赤く、むき出しとなって血も滲んでいる様子でした。生まれて間もなく、何らかしらの事故に遭い、治療もしないまま、手が固まってしまったとのご近所からの話を聞く事が出来ました。現場には、この春生まれた子猫6か月位の子と手の悪い子、母猫1匹の計6匹が居ました。このまま、放置すれば、母猫、メス猫が次々と子猫を生んで・・・あっというまに増えてしまいます。なので、6匹共捕獲して不妊去勢手術・血液検査をし、その後、保護しました。
母猫 手の悪い子メス 子猫4匹 計6匹 (メス4匹 オス2匹)
手の悪い子の状態(黒猫)
保護してみたら、かなり傷口から出血しているので、不妊手術の際に検査をしました。その結果を受けて、手術をして手首を固定させましたが、その後、状態が良くなくて左腕1本を肩から断脚する再手術を受けました。
最初の手術
手の悪い猫の方は、前回見た時と違い、かなり傷口から出血してましたので心配でしたが、動物病院に連れて行き、不妊手術を済ませました。
麻酔をかけた際、レントゲンを撮り、よく診て頂きました。
手首の骨折で、皮膚から骨が飛び出している状態、肉団子状になっている。指と肘の関節がなくなっているとの事でした。最近の怪我ではないので、現状のままにしておくか又は断脚してしまう方法もあるとの説明でした。
肉団子状の物は全部、骨です。
画像を見ると手首の骨が肉団子状になり先の指がグニャグニャになっているいるのが分かると思います。
肉団子状の物は全部、骨です。
画像を見ると手首の骨が肉団子状になり先の指がグニャグニャになっているいるのが分かると思います。
写真は肉団子を切り落としプレートを健常の骨と折れた先の骨とをビスでとめています。
手術が済んで只今、ケージ内にて安静中の黒猫です。
手が短くなると聞いてましたが見た目は分からないくらいにキレイに縫合してあります。 ただ、指などは神経が切れているので歩く時につま先があっち向いたりこっち向いたりしています。でも、あの血のにじんだ足で辛そうに歩く痛々しい姿ではなくなり見る方も気持ちが楽になりました。
ホカホカマットの上に敷いたペットシーツやタオル、毛布がグチャグチャになっています。でも、血もなにも付いていないので傷もしっかりくっ付いているようで良かったです。
フードも完食してトイレも使用済み。カメラを向けると奥に行って固まってます。人がいない時は結構、動いてるみたいです。ケージにかけてあったカバーも後ろにずり落ちてました。出たくていろいろチャレンジしたのかな??本当に安静中になってるのか心配になりましたが、大丈夫のようです。
しかし、その後、手の先から化膿し異臭もしてきたので、診察を受けました。再手術の必要があり、肩を残しての断脚しかないとの先生の見解でした。
神経が通ってなく、使えない手を残すよりは、断脚した方が、猫にとっても日常の生活に負担が少ない。猫は後ろ脚に重心をかけるので、予後も慣れてくれば3本でも余り問題ないとの説明で、再手術をお願いする事になりました。
12月1日に再手術をしました
術後の経過も順調で、7日目に抜糸、そのまま退院となりました。
今回の手術は、肩骨と筋肉、腕の上部一部分を残し腕から下を取る断脚手術で、外見上は左腕1本が無い3本脚となりました。傷口も、手術直後から、ジクジクする事もなく、綺麗に縫合されてます。
家での保護は、平方と3段ケージの両方を用意しましたが、先生から3段ケージの方がリハビリも出来るので良いとお聞きしましたので、退院後すぐに3段ケージに入れました。最初は、下段のトイレの脇にジッとしてましたので、まだ無理かなと思っていた直後、すぐに2段目3段目に移っていたので、今更ながら回復力の強さを間の当たりに見た思いがしました。
再手術を終えて、3週間余り経ちました。最近はお腹が空くと、みぃ~と啼いて催促します。まだ怖がってはいますが、触る事も出来るようになり、たまにはケージから出て、他の猫達とも一緒にいる姿も見られる様になりました。体重も3キロ弱と小さく、性格も控えめの可愛い女の子です。
一日一日、元気に回復してきています。 人馴れするには、もう少し時間が掛かりそうですが、この子を見守って下さる優しい里親さんに逢える事を願っています。
【現場周辺での猫の様子】
最初は、隣の家、周辺にいたそうですが、最近は、よくこのお宅の庭先にいるようになったとの事でした。家の方は、猫は嫌い、外に出てくる時は、近くに猫が来ないようにハエたたきを持って出るそうです。近くに住む、お年寄りの方が餌を置いていっていたそうです。
【黒猫以外の保護された5匹の猫たち】
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