事例34
古い街並みで暮らす猫たち(新潟市中央区)
平成29年2月〜
経緯
以前から新潟市中央区の古い商店街に隣接する町内に多くの野良猫たちがいて毎年繁殖を繰り返しているとの情報は聞いていました。
しかし、その地域はお年寄りが多く、餌やりさんも多くいるけれども不妊手術を施すという考えはなく、また経済的にも難しいということでした。
行政もなんとかしなければとの危機感から手をつけたのですが、なかなかうまくいかないという現状でした。
地元のボランティアの協力で自治会長さんとお話しする機会を設けていただきました。
そして地元の方々へのTNR(捕獲、手術、現場に放す)についての説明文を作り、役員の方と詳細について打ち合わせをしました。
この地域ではやはり長い間、野良猫について困っておられたようで、私たちの提案を快く了承してくださいました。
対応
手始めはボランティアの方2名が地元の方からの聞き込みで、どのあたりに餌やりさんがいて猫が集まっているかの情報集めから始めました。
捕獲も回を重ねるにつれて、猫のいる場所の情報が集まり、捕獲の範囲を広げていきました。
はじめはどんどん猫たちが捕獲箱に入ってくれ順調に捕獲できたのですが、20匹超えたあたりから手術済み猫(耳をV字カットしてある猫)が見当たらなくなり、捕獲の時間を夜遅くにしたりと工夫した結果、また捕獲箱に入ってくれるようになりした。
6月現在で手術後現場に戻した猫41匹、手術後保護し譲渡した猫4匹、子猫1匹の計46匹を捕獲できました。
解決に向けて
今年5月に入り、ついに餌やりさんの存在が判明して未手術の猫がまだ15匹以上いることが判明、協力を得ながら手術に取組んでいます。
2月末から始めた捕獲活動ですが、ようやくゴールが見えてきた感があります。
ご近所から苦情を言われ頑なになっていた女性も最近心を開いてくれ、自宅の片付けなども業者を入れたり、自分でも積極的にやるようになってきました。
きっかけはスタッフの猫をきっかけにした声かけ、ボランティアさんたちの片付けのお手伝いなどがの女性の心をほぐしていったようです。
猫問題が人間の心も変えていくきっかけになりました。
これは嬉しい結果でした。
後は地元の方々に手術を終えた猫たちの短い一生を暖かく見守っていただけるようにお願いしたいと思います。
野良猫の生活は過酷で3〜5年の寿命と言われています。
今回のように集中的に野良猫の手術を実施した地域は、2〜3年したら猫がめっきり減ったことを実感することでしょう。
これからは、猫好きの人々には、猫で迷惑を被っている人たちにできるだけ配慮していただき、人間にとっても猫にとっても気持ちよく暮らせる地域にしていただきたいと願っています。
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