事例44
自覚のない多頭崩壊(新潟市東区)
平成29年7月〜
経緯
7月に相談の電話をしてきたのは、飼主である生活保護家庭に月一で訪問するケアマネさんでした。訪問日、家の周りには成猫がまったり。玄関を入ると悪臭。小さな茶の間には今春生まれた子猫が24匹!どの子も痩せていて、重度の猫風邪で、健康状態の悪さは一目瞭然でした。出入り自由のメス猫6匹が今春相次いで出産、一気に30匹の大所帯になったとのこと。誰が見ても劣悪で不適切な飼育環境で、このままでは猫はどんどん増えるばかり。にもかかわらず、飼主はきちんと世話はできていると信じて疑わず、ケアマネさんに促され相談してもらったものの、本音はこのままでいい(大丈夫!)と思っており、認識の甘さには開いた口がふさがりませんでした。NDNに相談するまでに、新潟市動物愛護センター・新潟市保護課に相談したのもケアマネさんでした。
対応
飼い主との話合いの結果、状態の良い仔猫から順にセンター引取りで里親探し、両目癒着などで譲渡困難な子は飼主の元での飼育とし、同時進行で成猫すべて不妊手術をしました。(うち4匹が今年2度目の妊娠中で、出産していたら今頃猫50匹でした!)。しかし、子猫は検査でエイズ陽性だった為に譲渡不可とされ、適切な管理・治療もできないこの家庭に子猫を戻すのは苦しみを長引かせるだけとのセンターの判断で、21匹が安楽死という残念な結果になりました。最後の3匹だけは、突然、同意を翻して引取を拒否した飼主を説得してNDNが引取り、今は、新しい里親さんの元で元気に過ごしています。
解決に向けて
飼主には当事者意識・問題意識が薄く、現状認識力が大いに不足していると言わざるを得ませんが、行政の横の連携が日頃からあれば、もっと早くに察知できた事例と思われました。今後の改善が望まれます。
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